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【この残酷な世界で俺は生きている】  作者: 半分死体
チャプター1「勇者が生まれた時」
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01話「異世界転移」




 時に普通とはなんだろうって思う時があった。目覚ましのアラームで目を覚まし、自分の部屋を出てリビングへと向かう。


 「おはよう。」


そこには朝食を用意していた母親の姿があって、向かい側には父親がすでに黙々と食事を始めていた。俺はいつもの席に座って母親が持ってきた朝食を食べ始める。


 「いただきます。」


 「あ、靁。家出る時にそこに置いてあるゴミ袋外に出しておいて!」


 「わかった。」


俺の名前は雪島靁(ユキシマライ)、どこにでもいるような平凡な高校生だ。朝食を食べ終えて、「ごちそうさま」と言い、洗面所で顔を洗って制服と身支度を済ませて、カバンを左手にゴミ袋を右手に玄関までくる。


 「行ってきます…!」


聞こえているかはともかく、そう声に出して俺はゴミを外に置いてから学校へと歩いて向かった。



 今日も平和だ。道を歩いていればいろんな人とすれ違うし、交差点ではほとんどの人が規則正しく赤信号の時は待って、青信号の時は歩き出す。


そしてしばらく経てば、俺が通っている学校が見えてくる。今日も1日が始まる、


 「っっっよ!!!」


 「いたっ!?」


バシっという音と共に俺の視界に半身をわざと出して、自己アピールする人物が一人。親友の成田天馬(なりたてんま)だ。


 「……っ、なにすんだよ。」


 「へっへ〜、いつも通りボーッとしてんなと思って、奇襲攻撃!」


 「奇襲攻撃って………」


いつもテンションが高くてちょっとチャラい、そのせいでどことなくその雰囲気がたまに邪魔だと思う時もあるけども、でもいいやつであることは間違いない、ハズ。


 「天馬、何してんのよ?」


俺の反応を面白がっていた天馬に後ろから声をかけてくる女子生徒が一人、友達の雨宮夏(あまみやなつ)別名、天馬の監視員だ。

なぜそう呼ばれているかと言えば、


 「奇襲攻撃。」


 「奇襲攻撃らしい。」


 「はぁ、バカみたいね。そういう態度は靁だけにしなさい……ただでさえアナタはクラスで1番浮いてるんだからっ!」


このように、すぐ自重が効かない天馬のおもりをしているからだ。ちなみにこの別名は俺が考えて、俺だけが使っているだけだ。


 「はいはいっと!」


 「ちょっと、聞いてないでしょ!」


天馬は適当に答えて、俺の肩に手を置く。そしていつもと同じような雑談が始まる。これが俺の毎日で日常、とても平和だ。

一人で静かに登校するのもいいがこういうのも悪くはない。学校ではつまらない毎日を送っているわけでもあるまいし、こう言った日常が長く続けばいいとも感じていた頃だった。


 [シュゥゥゥゥゥッン!!]


放課後の出来事だった。空は赤くなって帰る時間だと知らせていた、今日出された宿題をあらかた片付けて、天馬が部活終わりで教室に入ってきて、夏もそれに続いて入ってくる。

さっきまで勉強していた教室内も一気に騒がしくなってきた時、それは起こった。


突然、今日の部屋全体が明るい光に包まれた。前触れとして魔法陣のようなものが地面に現れたが、それも一瞬。

そして光に耐えきれず閉じていた瞼を開けた時。そこには別世界があった。


 「よくぞ、まいられた異邦の勇者たちよ!どうか、我らに力を貸してもらいたい!!」


いわゆる異世界転移というのを、俺、俺たちは受けることとなった。




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