プロローグ
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*--*--*-- プロローグ1 --*--*--*
――慶蘭義塾女子高等学校 ソフトボール大会
「うおりゃああああああ! くらええええ!」
カキーン!!
「きゃあああああ……! 坂本ーーー!!!」
*--*--*-- プロローグ2 --*--*--*
――はあん! 零さまあーん
――会いたいですわ。早く会いたいですわーっ!
――待ちきれませんわーっ!
この鼻から抜けた声で、うっとりした目で叫んでいる少女は、鬼龍院百々花、高校2年生である。
今は夜、就寝前。
百々花は、自室のベッドに横たわり狂ったように叫んでいる。
鬼ほど大きな声で叫んでいるので、外に聞こえないかと心配になるくらいだ。
何故か。
まあ、勘の良い読者様ならわかると思うが、タイトルにもあるように彼女は令嬢、お嬢様だ。
とてつもなく広い部屋に防音もバッチリ。
例え外からドアに第三者が聞き耳を立てても、物音一つ聞こえないのだ。
「明日、学校で零様に会えますわ。それまで我慢ですわーっ!」
まあ、我慢と言っても寝てしまえば朝なので、つまんないこと叫んでないで、早く寝れば良いじゃ無いかと思うのだが。
「はあ、明日のことを考えると寝るに寝られませんわーあ!」
あ、なるほど、そうですか。
でも毎日のルーティーンになっているので、そろそろ慣れてもいいと思うのだが。
そして、百々花にとって長い長い夜が終わり、新しい朝が来るのであった。