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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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第2部・第4章同期とのロマンス?

 まさかこいつと?と言う様な位置にいる人間と恋愛関係になる事は、珍しくも何ともない。留土羅にとってそう言う存在になっていたのが、同期の本宮修子であった。

 入社当時から良きライバルとして、仕事仲間としては良好な関係にあった。仕事仲間としては最高だったが、はっきり言って、ちひろやひかるに比べると飛び抜けて美人とは言えず、女性として意識した事は無かった。

 しかし、何故か最近は二人でいるとドキドキしてしまうのであった。それは留土羅が本宮に恋をしていたからこそ起きる現象であったが、留土羅はその事実をかたくなに認めたくはなかった。本宮を恋愛対象として見られなかった理由はいくつかあるが、その最たるものが上司である30代の妻子持ちのやり手社員と、本宮が不倫をしているのではと噂されていた事であった。

 最もそれは噂でしかなく、確証がある訳でも無かったが、留土羅は火の気の無い所に煙は立たないと考えていた為、そんな本宮を恋愛対象として見る事は無かった。…はずなのにも関わらず、ドキドキしてしまう。そんな自分の本能が留土羅は全く理解出来なかった。

 付き合っている人がいないからなのか、否そう言う事では説明出来ない様な鼓動の高まりを、留土羅は抑え切れなかった。人を好きになるのに理由はないと言われるが、留土羅もそんな状態にあった事は否定出来ない。実際にまだ交際をすると言う様な段階にはなっていなかったが、そろそろ彼女が欲しいなと思っている時期に差し掛かっていた為、留土羅は少しずつ勝負をかける体勢を整えつつあった。

 理由など後付けで構わない。自分が今好きだと自信を持って言える事の方が遥かに重要であろう。それがどんな人間であったとしても、多分大切な部分はそこではないはずだ。これまで、亜細亜出版で浮き名を流してきた留土羅にとって、周りを意識せず展開出来た恋愛は無かった。必ず人の目を気にして、上司・同期・後輩の目を気にしてやって来た。

 しかし、三度目の今回は違う。同期だから周りの目を気にする必要が無い。それは追い風になるのかもしれないが、留土羅にとってはそろそろ男として、決めても良い情勢にありつつあった。あまりタイプではない、こいつと?と言う様な人物の方が恋愛は上手く行くのかもしれない。留土羅にとっては、ここは大勝負であり決めに行かなければならない。それがどんな結果をもたらしたとしてもで…ある。

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