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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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君のスタメン

 青龍と水菜美はそこまで思いが通じあっていなかったのかもしれない。今考えると当時の事を青龍はそう振り返るはずである。青龍が川合京子に流れたのも、水菜美が三船太陽に流れたのも、それはなるべくしてなったものであり、青龍と水菜美の結束がそこまで固いものではなかった事が分かる。最も青春時代の恋は不安定なものではあるが…。

 あすなろ祭の日まで1週間を切るといよいよムードが高まってくる。高校生活最後のあすなろ祭。人によっては人生最後の青春かもしれない。想いは様々であろうが、クラス一丸となって1つのゴールに向かう。狙うはMVP賞。3学年24クラスの頂点に立つのはどのクラスか?

 コスプレバーは練習等必要なく、ぶっつけ本番になるが、心配はいらなかった。だが演劇はそうはいかない。何度も何度も練習してようやく本番を迎えられる。青龍は手先が器用であった為、小道具作りで毎日ダンボールと格闘していた。脚本を担当したのは、奥野永作で演目名は"君のスタメン"高校野球をテーマにした青春ラブコメで少し笑える。

 ストーリーはベタでベンチウォーマーの主人公が恋愛をして四苦八苦するというストーリーとなっている。結局ハッピーエンドとなるのだが、高校生にしてはよく作られたものである。無論素人の域を出ないのであるが…。

 水菜美は別に青龍との関係に不満があった訳ではない。それに青龍を嫌いになったという訳でもない。ただの青龍へのあてつけの為に三船太陽に接近していた。ただそれだけの事であった。三船太陽と本気の恋など全く望んでいなかった。

 所が三船太陽が案の定その気になって、しまった事が事態をややこしくした。青龍はどうせあすなろ祭が終わればほとぼりは冷めると見ていた。だがそう甘くはなかった。川合京子と仲良くなったのは、あすなろ祭の成功の為。青龍から見れば、水菜美が勝手に三船太陽と一方的に恋をしているものだと、思っていた。その振る舞いに違和感を覚えたのは確かだ。このすれ違いが、青龍と水菜美の二人を思わぬ方向へ持って行ってしまう事になる。 

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