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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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アクション

 ひかるの会社での留土羅に対する態度にさしたる変化は見られなかった。会社にいるほとんどの人間が二人の交際を把握していた訳であるが、ひかるはまるで隠し事をしているかの様な振舞いを続けていた。まぁ、留土羅としてはそっちの方がやり易かった訳であり、ひかるもそれを承知でそうしていた訳である。

 ひかると言う人は、スイッチが入らないと只の口うるさい上司なのだが、いざスイッチが入ると甘えん坊の可愛い姉さんと言う二面性を持っていた。その両面を知る留土羅にとっては、面白かった。会社の飲み会などではなかなかスイッチが入らないので困らないが、いざ御指名二次会ツーショットとなると、正直困る。付き合っていると言うよりは、付き合わされている。そんな感じだった。

 とは言え、御互いに好意は持っていた為、破局しなかった。世間一般から見た二人は、決してガキっぽさは無かったが、25歳の女性と23歳の男性として見た場合、少し幼さが見受けられた。単刀直入に言えば、そう言う事である。その幼さが後に決定的な別れを突き付ける事になるのだが、それはまだ少し先の事である。

 確かに学生のノリならば年の差恋愛もどうと言う事ではない。しかし、結婚と言うゴールを目指す社会人の恋愛は違う。その青さが二人に致命的なダメージを与えるものになる。ノリで乗り越えられるのは、大学生位までだ。小手先の気持ちではゴールまで行かない。それが大人の恋愛と言うものだ。

 ひかるは会社においては、中の下クラスの位置におり、留土羅の上司ではあるが、そこまで高位と言う訳ではない。まぁ、留土羅が順調に出世すれば、数年もあれば追い抜ける。勿論、ひかるも順調に出世すれば、更なる高位に行くのだが。昇進は恋愛事情もややこしくする。それがプラスに働けば良いのだが、マイナス方向に変化する事も十二分に考えられる。

 色々な意味で関係を良好に続けて行き、結婚と言うゴールに真剣に向き合えるか?それは互いの課題だろう。…が、ちひろと留土羅はそんな気配が全く持って見られない。留土羅はまだ新人で勝手がわからず、ひかるはひかるで先の事を見通す先見性に欠けていた。いつもと同じ毎日を繰り返すだけではいけないと思っていても、日々の良し悪しで物を決めてしまうのは、人間の持っている弱さだ。ちひろと留土羅が将来を本気で考えているならば、何かアクションを起こすべきである。

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