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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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やきもち

 青龍のクラスは演劇を、水菜美のクラスはコスプレバーをする事になった。当然の事ながら休日返上で準備するのが通例のあすなろ祭で、青龍と水菜美がデートしている暇はあろうはずもない。

 二人は会えない事で、関係が冷え込む事は予測していたが、まさか決定的な別れが来ると言う風には、思ってはいなかった。学園祭には魔物が潜んでいるとよく言われるが、普段は何とも思っていた異性が可愛く見えてしまうのは、その魔物のせいであると。

 そして青龍がクラスの様にクラスをまとめるリーダー格だろうが、水菜美の様なクラスの一員であろうが、普段とは違うスイッチが入る事に変わりはない。この時の青龍は水菜美の親友川合京子がその相手であり、水菜美にとっては三船太陽がその相手であった。

 青龍と川合京子は別のクラスだったが、クラスリーダーはよく集まり、その時仲良くなったのであろう。もちろん青龍も水菜美も川合京子も三船太陽もそれぞれをお互いに恋愛対象だとは思ってはいなかった。

 しかし、そこで仕事をするのが魔物の役目である。こう言う時こそ普段の二人の絆が試されるのだが、二人は油断していた。あいつなら大丈夫だろう気持ちがあった事は否めない。同じクラスに恋愛に発展する人がいなくても、高校は広い。クラス外に恋愛対象になる人物がいてもおかしくはないのである。

 しかしまだ、この段階ではお友達程度の認識であった事は確かだ。ただ、高校生にとっての1ヶ月は、成人してからの1年や2年にはなる。それくらい、青春時代の時間と言うものは、貴重で重みがあるものである。

 1ヶ月あれば、若者が恋に落ちるには充分過ぎる時間であった。学園祭でデートに行く時間は無いが、クラスリーダーの仕事が大変なのは、クラスメイトの配置を決めて、どんな仕事かを決めるまでの事。そこまで進捗すれば、なんて事は無い。そして、本番を迎えるにつれて、クラスの士気が上がる。そう言うものである。

 青龍ははじめのうちは、水菜美の様子を伺いに水菜美のクラスに来ていたが、川合京子と仲良くなってしまい、リーダー同士の話と言う適当な理由で、何かと川合京子に接近していた。

 水菜美はそのうちリーダー同士の話にしては、やけに笑いが多いと言う事に気付く。やきもちをやいた水菜美も三船太陽にアプローチをかける。青龍と水菜美にとってマイナスのスパイラルが発動しようとしていたのである。

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