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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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社会人としての恋愛

 ちひろの良い所は何と言っても癒しをくれる所である。あくまで留土羅の主観だが、人の印象など元来主観的なものである。

 新人と言うのは、どの業界でも気を使う生き物である。先輩や同期に取引先に慣れるまで、それなりの年月が必要である。なまじちひろが可愛いものだから、上司と部下の関係を越えて交わりたいと思うのは自然な事であったかもしれない。

 最もたった1ヶ月違いの先輩後輩であるから、留土羅とちひろはそれほど強烈な上下関係には無かった。とは言え、先輩後輩のわきまえは彼等にはあった。"公私混同"は社会人ならば最も避けるべき事象である。サラリーマンなら尚更の事である。

 しかし、職場恋愛を許してくれるならそれは、公私混同ではないのかと言う議論はさておき、入社1年にも満たない新人同士にその線引きが出来るはずもなく、留土羅とちひろは仕事の後に飲みに行く程度の付き合いであったのだが、いつの間にか休日も会うようになっていた。その頃には二人は男女の仲に完全に発展していた。

 社内恋愛を否定するつもりはサラサラ無いが、仕事が板につくまでの入社5年くらいは、恋愛をするべきではない。それは、人間性の問題であると思う。ここでは多くを語らないが、若いからと言って恋愛にがっつくべきではない。少し余裕を持たせる位の方が、丁度良いのかもしれない。

 亜細亜出版は小さな会社である。二人が付き合ってる事は、二人がどんなに口を固くしていても、即効で周知の事実となった。チヤホヤされたのは付き合い始めた時だけ。後は嫌味を言われっぱなし。特に独身恋人無しのお一人様上司からの風当たりは強くなるばかりであった。

 留土羅もちひろもルックスが良いためか、いじられ慣れしておらず、その対応には手を焼いていた。付き合ったら結婚しなくてはいけないと、誰が言ったのかは定かではないが、二人の学生時代の経験からこの恋はおままごとではないと言う事を実感させるには充分であった。

 とは言え、留土羅もちひろも結婚など先の事だと思っていた。それはお互いが知らない事が多すぎたからだ。周りのチャチャに惑わされるとろくでもない事になるのを二人はよく分かっていた様である。社会人の恋愛は一筋縄では行かない事はこれでよく分かった二人であった。

 

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