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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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昼飯探訪

 そんな留土羅にとっての楽しみは昼休みであった。勤務地東京・新宿にはこれでもかと言う位に飲食店の数は豊富で、毎日別の店に行ったとしても、生まれては消えて生まれては消えての連続でこの新宿近辺の店を完全にコンプリート出来る日は永遠に来ない気がする。そんな留土羅は、その中でも安くて旨い飲食店探しに躍起になっていた。

 東京・新宿区と言えば大都会の中心も良い所で、都心の中でも人口密度は日本一いや、世界でもトップクラスではないだろうか?話がそれたが、こう言う都会での外食は安くない。物価や地価も軒並み高く、そうなると食材を安く仕入れても、客単価は当然上がる。

 味はイマイチでも安くて沢山食べられるなら、そこは目をつむろう。しかし何故、こうまでしてコスパの良い飲食店を探しているのかと言うと、留土羅が大食いだからである。入社して1年経過するまでに、昼休みのうちに会社から歩いて戻れる範囲内で、昼食をとったが留土羅の気に入る店は1割にも満たなかった。その中でお気に入りだったのが豚カツ屋であった。1000円でご飯・味噌汁・キャベツおかわり自由と言う店を探し当てた。留土羅は豚カツソースをご飯にかけかっ込む。店の人に飽きられるほど、米をたいらげていた。

 それでも店長は若いサラリーマンに気持ち良く食べてくれるならと、多目に見てくれた事が嬉しかった。ただ、毎日そこに通うのも飽きるので、平日バイキングも見つけて、それをヘビロテした。時間制限はあったけどそもそも昼休みは一時間しかない。だがバイキングは毎日通えないので豚カツ屋に入り浸った。

 と、昼休みの飯探しに楽しみを見出だした留土羅であったが、これも一種のストレス発散であった。妻子持ちのサラリーマンがワンコインで過ごす事を考えれば、サラリーマンは都会の独身にしかサラリーマンは出来ないと留土羅は思った。留土羅はこれからも亜細亜出版に勤める限り、昼飯探訪をやめないと決めた。時間さえ守ればそれは許される事であろう。

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