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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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塩・胡椒

 変わらないモノがあるとすれば、それは友情や愛だろう。卒業と言う節目とは言え、簡単に変わるようでは本物とは言えない。結び付きが深まる事もあれば、疎遠になってしまう事もある。どちらが駄目でどちらが良いと言う事ではないのかもしれないが、どうせなら変わらない方が望ましいだろう。何でもかんでも節目だからと言って変わってしまうのも考えモノである。

 確かに卒業は大きな区切りであり、高校生や大学生の卒業は特別なものである。小学校や中学校ならば、己の未来はほぼ100%確定しているが、高校生や大学生の場合は未来が不確定である事が多い。だから友情ごっこに付き合ってる暇はないと言われればそこまでなのかもしれないが、本物の友情があればそう言う時こそ冗談を言い合えるし、何よりも深い人間関係が出来ているとも言える。

 卒業は節目であるが、終わりではない。明日以降も人生は続くものである。それが分かっていれば、人間関係の急激な変化と言うものも起きにくい。友情や愛が人生の何の役にも立つのか?そう言ってしまえば根も葉もない。人生にとって損得勘定を友情や愛と言う分野で用いるべきではない。言うなれば、肉を焼くのに塩・胡椒をふるのはたいした意味がないから、やめろと言うような暴論である。

 塩・胡椒が肉の旨味を引き立てるから、焼く前にふるのであり何の意味もなく、塩・胡椒をふっている訳ではない。肉を旨く食べる為には必要不可欠なものであり、代わりの利かない食材である。人生における友情や愛もステーキと同じだ。代わりの利かないものであり、人生を豊かにする為に友情や愛を育むのである。

 損得勘定よりももっと別次元の感情でそれを司っている訳である。必要だからやるものであり、実は人間の行いに不必要なものはない。それは人間が厳しい生存競争を勝ち残ってきたからである。ステーキを旨く食べる為に塩・胡椒をふるのと同じ様に人生を鮮やかに生きるスパイスとして友情や愛があるのである。友情や愛のない人生は言うなればモノクロの白と黒だけで表された絵画のようなものである。色がない絵はどこまで精巧に出来ていたとしても、絵画としての価値は低い。

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