永遠の愛を
ミカツェルリア王子とキーティア王女は夜空を見上げながら語り合っていた。
「夜空ってこんなにも美しいものだったんだね?」
「言われてみれば普段夜空を見上げる事はありませんものね。」
「でも君の美しさには負けてしまうがね。」
「ミカツェルリア王子の冗談にはいつも困りますわ。」
「これから色々大変だと思うけど、よろしく頼むよ。」
「はい。こちらこそよろしくお願い致します。」
「俺の気持ちが天に通じて良かったよ。」
「どういう意味ですか?死ななくて良かったとか?」
「それもそうだけど、キーティア王女と結婚出来た事だよ。」
「私はミカツェルリア王子ならやってくれると信じていました。」
「嬉しいね。でも君の心は複雑だったんじゃないの?」
「そうですね。自国騎士団の兵士が殺られるのは心苦しいものがありました。」
「それがきっと偽らざる君の気持ちなんだろうな。」
「でもミカツェルリア王子と結婚出来た事に不満はありません。」
「あるがままを受け入れるのは大切な事だよ。」
「私にはどれが正しい道か何がベストな判断だったのかよく分かりません。」
「そんなこと、俺だってよく分からねぇよ。」
「ミカツェルリア王子の側に居られる事は幸せです。」
「じゃあ、それで良いじゃあないか?理由なんていらないよ。」
「これからどんな楽しい事が待っているのでしょうか?」
「楽しい事も辛い事も一緒に乗り越えよう。」
「二人の愛がそれを可能にしてくれると信じています。」
「そうだな。愛が乗り越えられないものなんて無いよな?」
「ふつつかものですがよろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくお願い致します。姫。」
「私はミカツェルリア王子の妻としてハンロスド王家に嫁ぎました。」
「分かってるよ。キーティア王女がしっかりしていてくれればハンロスド王家は大丈夫だ。」
ミカツェルリアとキーティアの未来にはどの様な困難が待ち受けていても、それを乗り越えられるだけの愛がある。だから大丈夫だ。ここに王子様の恋は完結したのである。
貴族だってそれなりに苦労している。
王子様だって一人の人間なのだから。
恋も失恋も経験するだろう。
人並みの苦労+アルファで貴族特有の苦労になる。
一般人からしてみれば、思うより貴族と言うものは大変なのかもしれない。
ミカツェルリア王子はそう言う貴族の鏡だ。
キーティア王女と言う嫁に出会い、彼女を手に入れる為に並々ならぬ努力をした。
作中はもちろん、フィクションであり現実味はないかもしれない。
しかし、その位貴族の恋や愛と言うものは、難しく条件も厳しい。それを自分は書きたかった。ミカツェルリア王子は本物の愛を手に入れた。おめでとうミカツェルリア、キーティア。それだけは言わせてもらう。




