キーティア王女との面会
キーティア王女と会ったのは二日後の事であった。諸事情等があり面会は遅れた。
「ミカツェルリア王子、よくぞ御無事で!」
「何、大したことはない。キーティア王女の為に戦う位訳無いさ。」
「きっと御父様もこれで結婚を御許し下さる事でありましょう。」
「ここまで大事にしておいて、まだ許さないならゴードゥロア国王を斬るまでさ。」
「まぁ、面白い事言うのね?それでこそ私が見初めたミカツェルリア王子だわ。」
「正直、強敵ばかりで何度も諦めかけた事もあった。」
「それはきっとミカツェルリア王子が神に試されていたのでしょう?」
「そうかもしれないな。だがその試練を俺は乗り越えた。」
「貴方の勝利を願うことすら許さないのは辛かったです。」
「君にも負担をかけていたんだね?でもこれからは自由だね。」
「御父様もきっとミカツェルリア王子との結婚は認めてくださるはずですね?」
「キーティア王女?本当に俺で良いのか?他に男は沢山いるけど?」
「戦いを重ねるうちにどんどんミカツェルリア王子に惹かれて行きました。」
「知らず知らずの内に我々は恋の沼にはまっていたのだな?」
「感情移入とか、そう言う事ではないです。本当に惹かれて行きました。」
「両想いになれたと言う認識で問題ないんだね?」
「私はミカツェルリア王子の事をおしたい申しております。」
「これからはハンロスド王国の王女に成るわけだけど、構わないのかい?」
「ロイヤルファミリーである事に変わりはありません。」
「不安は無し?」
「これと言って大きな不安はありません。それに今は未来への期待の方が高まっていますから。」
「こうしていざキーティア王女と結婚出来るとなると、やはり嬉しいな。」
「そうですか?現実感が私には全くないですけど。」
「日が経過して行く内にそれは恐らく解消されるよ。」
「問題ない。今の所はですが。」
「生活を共に重ねて行く中で出てくる小さな問題もあるだろう。」
「まだ、夫婦としてはスタートラインに立ったばかりですからね。」
「これから末長く宜しく頼むよ?キーティア王女。」
「いえいえ。こちらこそ宜しくお願いします、ミカツェルリア王子。」
と、まぁぎこちない二人のやり取りは、ハンロスド王国王家に入ったキーティア王女の方がミカツェルリア王子よりも緊張していた様だった。




