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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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元婚約者

 イグニート・ラングロスにはもう1つ知っておかねばならない事がある。実は彼は2年前に一度キーティア王女と婚約をしていたのである。両者は互いに惹かれ合い思い合っていたのだが、ゴードゥロア国王が一兵卒の部隊長(当時)等と結婚させる訳にはいかないと、二人を強制的に引き離した。

 結果、イグニート・ラングロスもキーティア王女もゴードゥロア国王の許可無しには会う事も許されず、今日まで過ごして来た。イグニート・ラングロスにしてみれば、キーティア王女の恋敵であるミカツェルリア王子には負けられないという意地がある。何よりもキーティア王女をそう簡単に明け渡したくはないし、貴族の坊っちゃんに負ける事はそのプライドが許さなかった。

 キーティア王女とは2年間一度も会っていない。この戦いに勝てば小さな可能性ではあるがキーティア王女と結婚するチャンスが巡って来るやもしれないと言う淡い期待を持っていたが、もう3人の同胞が殺られている。ムラティモス、プラロード、ケルスミーロ。皆、ゴードン王国において、トップクラスの実力を持っていた猛者を倒してきたミカツェルリア王子の実力をイグニート・ラングロスは評価していた。

 この戦いを見届けるキーティア王女の心中は穏やかではないだろう。新旧の婚約者同士が殺りあうのであるから。きっとこの戦いの勝者が自分の夫になる。どちらが勝ってもこれは父ゴードゥロア国王が決めた事であり、絶対に逆らえない。運命と言うのは酷なものである。キーティア王女は腹をくくって戦況を見守る。

 どちらがキーティア王女と結婚出来るのか?ミカツェルリア王子の愛の試練も遂に最終章である。イグニート・ラングロスも自然と肩に力が入った。対するミカツェルリア王子はその様な過去があったとは知らない為に、肩の力は入らなかった。それよりここまで3連戦を戦い、流石のミカツェルリア王子もスタミナが心配だった。最終決戦まであと一人。ここまで来たんだから、後はもう自分の力を信じて100%のパフォーマンスが出せる様にする事である。過去に何があったかはどうでも良い。未来をどう積み上げて行くかの方が大切である。両者とも国と国の威信をかけた愛の戦いの最終章が始まろうとしていた。

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