ゴードゥロア国王の心情
合わせてゴードゥロア国王の心情を理解しておくと良い。ゴードゥロア国王は、勿論ミカツェルリア王子を憎いと思っている訳ではなく、キーティア王女の夫としてふさわしいかミカツェルリア王子の力を試しているに過ぎない。ゴードン王国騎士団トップの騎士をぶつけているのはゴードゥロア国王からしてみれば至極当然の事であった。
騎士の代わりなどいくらでもいる。と言うのがゴードゥロア国王の本音だ。それでも田舎の小国の王子にやられるのはいけすかない。それが国王としての本音だ。世界の何処に本音だけで統治する君主がいるのであろうか?そう言う事を平気でする君主を人は暴君と呼ぶのであろう。
ゴードゥロア国王はゴードン王国民にとって暴君ではなかった。祖国開放の立役者であり、国王であるゴードゥロアは世間では腹黒い人間と思われていた。しかし、それを隠すのが上手く演技も上手い。嘘はつかないが、とにかく為政者としての才能はあった。
本音としてはミカツェルリア王子が可愛い娘の婿に相応しいか、ただそれだけが分かれば良いのである。優秀な部下を失うのは心苦しいが、戦争で犠牲になる兵士の数を考えれば大したことはない。
ゴードゥロア国王にとっては、どんなに強くても騎士は駒の一つに過ぎない。それ以上でもそれ以下でもない。そう言うドライな感情がなけれぱ、ゴードン王国の様な大国は治められない。大は小を兼ねないのである。
王様にとって為すべき事はどんな状況にあっても、国益の為に兵隊をどう運用するか。その一点に尽きる。上手な国家運営とは、どう言うものかをゴードゥロア国王は知り尽くしているのである。
事、キーティア王女の事となると、少し理性的ではなくなるのは、ゴードゥロア国王も人の子であると言う事である。ゴードゥロアはそう言う厳しい父としてミカツェルリア王子の試練を見つめているのである。




