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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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329/360

三日月の闇

 負け即ち死を意味する事は、闘技場と言う存在について知っていたミカツェルリア王子にとって、それは朝飯前の如く分かっていた事であり、対戦相手の情報も頭に入っていた。

 斧使いで500連勝している男。それだけで充分だった。ミカツェルリア王子は、ハンロスド王国の王子として、勉学もさることながら武芸・武術について英才教育を受けていた。ミカツェルリア王子の強さは並の人間とは比較にならない為、凡人に500連勝していようとも、そこに惑わされてはいけない。

 ウェルガーもサンゴストも王子が勝つ事を信じていたが、それは蓋を開けてみねば分からない事であった。

 先に闘技場のフィールドに現れたのはミカツェルリア王子であった。観衆はゆうに5000人を越えている。勿論その中にはキーティア王女やゴードゥロア国王もいた。500人斬りのムラティモスが、王子から遅れること5分程して入場。いよいよレフェリーの「ファイト!」の掛け声で試合が始まった。

 ムラティモスの持つ斧を一撃でも喰らえば、たちまち試合の勝敗は決してしまう。破壊力は抜群だが、スピードや手数勝負に持ち込めば、勝てる要素は高くなる。手持ちの武器は王子として即位した15歳の時に父ロスドル国王から譲り受けた、バリテングブレードと気休めだがポルテインシールドをチョイス。一撃で決めるつもりはなかったが、どうやらムラティモスは体力はあるが打たれ弱いと言う戦士だと言う事が、バリテングブレードを一撃いれた時の感触で分かった。

 ムラティモスの必殺の一撃をかわしつつ、確実にバリテングブレードをヒットさせていった。人智を越えたムラティモスの体力にはミカツェルリア王子も苦戦したが、どうやらムラティモスの息があがってきた。ミカツェルリア王子はこれでもかと言うくらいに、必殺の剣技「三日月の闇」を放った。それをまともに喰らい続けたムラティモスは遂にその場に倒れこみ絶命した。

 「ムラティモス、君に恨みはないがこれは婚前の試練なんだ。許せ。」

 そうムラティモスに語りかけると、バリテングブレードを納め右の拳を天に突き上げて勝利を宣言した。

 「あ、あの王子やりおったぞ!?」

 「流石私のフィアンセ。」

 ムラティモス位の刺客でゴードゥロア国王はハンロスド王国王子ミカツェルリアを倒せなかったが、間髪入れずに次の刺客を用意するように指示を出した。

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