第一の試練・500連勝の英雄ムラティモス
ゴードゥロア25世が第一の試練として命じたのは、闘技場で500連勝している伝説の戦士ムラティモスとのサシでの決闘だった。
勝者・敗者を決めるのは生きるか死ぬかと同じであった。その結果はゴードン王国だけでは無く、この世界に存在する全ての闘技場での決闘は合法的な殺人であり、500人斬りのムラティモスは闘技場の世界では英雄であった。そんな人間を結婚相手にぶつけるのは嫌がらせではなく本気でミカツェルリア王子を試しに来ている証である。
そして、この決闘を前にミカツェルリア王子は思った。恐らく4人の戦士と戦うのではと?そうなるかはとにかく、ハンロスド王国の王子として無様な姿は見せられないプライドがあった。ミカツェルリア王子とて、戦闘に関して、腕に覚えが無い訳では無かった。
それは、ウェルガーもサンゴストも認める所ではあったが、嫁を得る為に命をかけなければならない理由までは二人に伝えなかった。とにかく勝てば良いのである。それでもミカツェルリア王子は死んだらそれは俺がその程度の男であったと言う事だと、かなり開き直っている。本当に事の重要性を理解しているとは思えないが、ミカツェルリア王子がそれで良いと言うのだから、男として嫁の為に命をかける人物に無粋なアドバイスはウェルガーもサンゴストもかけられなかった。
しかしながら、このムラティモスと言う戦士は確かに手強い敵である。決してザコキャラではない事は確かだ。それもウェルガーやサンゴストも認める所ではあった。ミカツェルリア王子は、愛剣のミカヅギートブレッタを右手に構えて戦闘準備は万端である。
対戦相手の英雄ムラティモスも右手に斧を構えている。とは言え、まだ第一試練。斧に剣は相性が良く、勝機はそこから見い出せそうであった。頑張れ!ミカツェルリア王子!




