第6部・第5章ザコ
ゴードン王国は世界第3位の面積を誇る陸軍大国である。主要産業は建設・土木・資源採掘等である。人口は世界第5位を誇り、世界の五指に入る大国である。ゴードン王室の歴史も400年以上続く伝統と格式があり、ハンロスド王国の王子と言えども、一筋縄ではいかない。
現在の君主はゴードゥロア25世、正式名ゴードゥロア・ブロウェザスと言い、キーティアの父である。女王のリースザイ・ブロウェザスがキーティアの母親である。
先方の態度は比較的好意的で、反対している様な感じはしなかった。キーティアには兄と姉がおり、この二人がゴードン王室を引き継ぐと目されており、キーティアには正直さっさと嫁に出て欲しかったのかもしれない。
ゴードゥロア25世と謁見する事になったミカツェルリア王子一行は、お目当てのキーティアよりも、先方の最高責任者である、ゴードン王国の君主にまず挨拶を済ませた。勿論、一番質問されていたのはミカツェルリア王子であった。ミカツェルリア王子一行もゴードン王国側も決定するならこのチャンスは逃さない、と言う方針で一致していたようだが、ミカツェルリア王子が、「王室と結婚する訳ではない。」と、言い張りキーティアと早く面会させろと熱望していた為、先ずはミカツェルリア王子とキーティア王女がどこまで相性が良いのかを、確かめる機会が目標になった。
確かにミカツェルリア王子の言う通り、両者の合意が無ければ、結婚は成立しない。ゴードン王国側も、その事を見越した態度でミカツェルリア王子達に接していた。そう感じられた初対面であった。
ミカツェルリア王子一行は交際が長くなる事を望んではおらず、早急な婚約、結婚を目指しているから、予定よりも事が早く進むのを歓迎していた。キーティア王女も当事者として、もしかしたら私はミカツェルリア王子の嫁になるのかと、ようやく実感していたが、どうもクイーンオブザワールドの優勝からの一連の流れが現実的ではない様な気がしてならなかったのである。




