クイーンオブザワールド・ファイナリスト(決勝進出者)
クロウェルザル公国での美女コンテストは通常の美女コンテストとは少し趣が異なる。世界三大美女コンテストの中でも、最上位に位置し、クイーンオブザワールドを決める世界最高峰の美女コンテストである。歴史も深く今回で100回目である。年に一回つまり、100年の歴史があると言う事である。
クロウェルザル公国全面バックアップの元で世界一の美女を決める。クロウェルザル公国推薦の才女もいれば、平民クラスから美しさだけを武器にして戦うチャレンジャーもいる。審査員の前では社会的地位も身分も関係ない。
我こそ最強の美女だと言う事を世に知らしめる絶好の機会である。過去99回のクイーンオブザワールドを振り返ると、80人が王室出身で連覇を成し遂げたのはわずか10人。その為平民クラスから這い上がれたケースは一度もない。次点(2位)に食い込んだのが、平民クラスでは最高成績である。
王室の審査への関与も噂されるが、お金をかけた者が勝つと言うよりは、審査員の好みに合致している必要があり、平民クラスから優勝者が出ないのは、運のなさも影響していた。
そんな中で今年のクイーンオブザワールドは、決勝進出者7人と、例年の5人から二人枠が増えている。しかも三年連続シルバーコレクター(準優勝者)の平民が決勝に残りそうだと、平民悲願の初優勝に向けて追い風が吹きそうな情勢だと言う。予選からミカツェルリア王子は見たかったが、一般客が見られるのは決勝だけとなっていた為、待つ他にはなかった。ミカツェルリア王子達からしてみれば、クロウェルザル公国の王室推薦の才女の方が交渉しやすいとも思ったが、ここはやはり、ミカツェルリア王子の意志を最優先にするべきだと考えた。
そして、ミカツェルリア王子が認めれば例えクイーンオブザワールドではなくても、惜しみ無く交渉をする事をウェルガーとサンゴストに約束した。優勝者に限定する必要はない。
さぁ、決勝が始まる様だ。司会者が威勢良く、決勝に残った美女のプロフィールを紹介を始めた。いよいよミカツェルリア王子達の前に腰を抜かす程の美女が姿を現して来た。




