美女コンテストのウワサ
サンゴストはある夜ミカツェルリア王子を呼び出した。
「何だよ?こんな夜遅くに?」
「すみません王子。聞いておきたい事があったものですから。まだウワサの域を出ませんが世界各国の美女20人を選りすぐりクロウェルザル公国で美女コンテストが、行われるらしいのですが、王子は興味はおありですか?」
「興味は無いと言えば嘘になる。」
「そのコンテストはどうやら今から3週間後に始まるようです。ですから見に行くのならば、もう明日にでもクロウェルザル公国に向けて出発しなくてはなりません。」
「ま、これ以上この国に長居する理由もないしな。行くぞ!」
「ではクロウェルザル公国に向けて明朝出発しましょう。ウェルガーには私から伝えておきます。王子、今夜はありがとうございます。もうお休みになられて結構ですよ。」
「じゃ、眠るは。お休みサンゴスト。」
サンゴストはその後ウェルガーを呼び出し、事情を説明した。ウェルガーも事情を察して直ぐに状況を理解した。
「それにしてもそんなウワサどこで仕入れたんですか?」
「出発の前にあらかじめ目星はつけておいたんだ。そのうちの一つに過ぎないよ。これはね。」
「用意周到ですね。流石サンゴストさん。でもクロウェルザル公国まで3週間後に到着出来ますか?」
「馬車を使って行こうと思う。」
「それでも間に合わなければこの足で走るしかないな。」
「馬車って金かかりますよね?」
「金の心配はするなウェルガー。ロスドル国王から資金援助は受けている。」
「金の心配は要らねーなんて随分気楽ですね?」
「ロスドル国王は世界有数の資産家だからな。」
「分かりました。で、サンゴストさん自分は何をすれば良いですか?」
「馬車の手綱を握るんだ。」
「手綱?急すぎます。馬車なんて乗った事ありませんよ?」 「俺は貴様を遊ばせに来たんじゃ無いんだよ。」
「はーい。」
ウェルガーはサンゴストに丸め込まれてしまった。思わぬ所へ思わぬ方法を用いて行く事になってしまったが、果たしてクロウェルザル公国でミカツェルリアのお眼鏡に叶う女性はいるのかいないのか気になるところではある。




