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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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第6部・第3章ウワサ

 リドスラガ王国にはもうミカツェルリア王子の眼鏡にかなう女性はいないと判断したウェルガーとサンゴストは、ミカツェルリア王子に別の国に行く事を薦める。王子もその案には反対出来なかった。別にこの国にこだわる必要はないと、自分に言い聞かせていた。

 このまま南下すればウィークルードスと言う国があるし、西にはリドウェンガイと言う国もある。土地勘がある訳ではないので比較的移動の楽な南のウィークルードスにミカツェルリア王子達は向かう事にする。

 まさかこの国で王子のお眼鏡にかなう女性が見つかるとはこの時は誰も思ってもみなかった。そして数多くの試練を乗り越えなければその花嫁の元には辿り着けない事もこの時は分からなかった。ミカツェルリア王子はお見合いの失敗をこう語っている。

 「集まってくれた女性は皆魅力的で甲乙つけがたかった。ただ、お見合いと言う形で出会いたくはなかった。と、そればかりを悔いていた。もう見合いはせぬ。」

 と、ミカツェルリア王子は決して贅沢やワガママを言っている訳ではない。寧ろ将来の事まで考えて嫁探しをしている姿は真剣そのものである。そもそもミカツェルリア王子は、根が真面目で、その性分もあって彼女がいなかったと言っても良い。スタイルもルックスも決して悪くないミカツェルリア王子に浮いた話が無かったのは、ハンロスド王国王室がミカツェルリア王子に恋愛を禁止していたからではない。

 寧ろミカツェルリア王子には1日も早く積極的に恋愛を薦めており、ミカツェルリア王子は決して恋愛にクローズドな状況ではなかった。周囲に適任者がいなかったと言えばそれまでだが、ミカツェルリア王子の通っているハンロスド王立高等学院は俗世間の金持ちの娘や息子、政界の実力者の子息しか入学出来ない言うなれば、庶民は入れない上流階級の学校で、周りには金をかけて育てられた美女ばかりが揃っていた。

 だから周りに良い女性がいなかったと言うのは、ミカツェルリア王子の苦しい言い訳に過ぎない。ただ、ミカツェルリア王子自身も含めて親の七光りばかりの環境で、そうした中身のない見てくれだけの美女にはウンザリしていたのも確かである。ミカツェルリア王子の生い立ちが今彼をこの様なバカバカしげな旅に駆り立ているのも事実である。

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