宮中合コン
サンゴストは直ぐにリドスラガ国王アーリディンテス二世にコンタクトを取り、了解を得た。
「おい、おい、宮中合コンなんてきいてないぞ、サンゴスト?」
「この期に及んで往生際が悪いですぞ?ミカツェルリア王子。」
「わざわざリドスラガ国王に頼み込んで宮中合コンをするなんて、それはミカツェルリア王子が隣国の王子だからですぞ?」
リドスラガ国王アーリディンテス二世は器量の大きな人物であった。いくら良好な関係の続く同盟国の王子とは言えとどのつまりは見ず知らずの他人である。お願いするミカツェルリアの配下サンゴストもどうかと思うが、それに応えてくれたアーリディンテス二世にミカツェルリア王子は感謝しなくてはならない。例え結婚に結び付かなかったとしても。
宮中合コンの呼びかけはウェルガーの仕事であった。制限時間は一時間10名のリドスラガ人美女?が時間を割いてくれた。司会はサンゴスト。
「それでは自己紹介から…。」
手慣れたものである。きっとサンゴストはミカツェルリア王子以外の王族にも宮中合コンを進めていたのかもしれない。この味のある司会は絶対そうだ。ミカツェルリア王子は3つの条件にあてはまる女性を探した。パッとプロフィールを見ただけで、もう4人に絞った。サンゴストもさっさと宮中合コンを終わらせたいのか、その4人にミカツェルリア王子が重視する3要素と定番の質問を混ぜた。ウェルガーはひたすら何かを書いていた。
「どうもありがとうございました。それでは少々お待ちください。」
サンゴストがそう述べると、サンゴストはウェルガーとミカツェルリア王子を連れて別室に行った。そこで話し合われたのは1名に絞った女性の事だった。10名から何とか妥協していたが何とか残す事に成功した。その女性はヒッポリナと言う。詳しく調べると3つの条件を満たしたのはヒッポリナだけだった。ミカツェルリア王子もまんざらではなく、宮中合コンから翌日二人だけで会う約束を交わした。
残りの9名の宮中合コン参加者についてはご縁がありませんでしたと、ウェルガーが丁寧にお詫びを告げ、お帰り頂いた。ウェルガーは思った。宮中合コン参加者は美女ばかりだったが王家の女性としては、その才覚に相応しくない事を。それでも、ミカツェルリア王子がヒッポリナとどうなるかはミカツェルリア王子が最終決定をする事には変わりはない。翌日の準備でウェルガーは余韻に浸っている暇はなかった。サンゴストもこれなら行けると手応えを感じていた。




