第6部王子様の恋〜Prince of love〜第1章行くぞお前ら
世の中には超がつく程のセレブもいれば、超がつく程の貧乏な者もいる。今回の物語の主人公は超がつく程のセレブであり、正真正銘の王子であった。
ハンロスド王国はウィルリス最大・最強の国家であり、文字通りの大国であった。ミカツェルリア21歳はそんなハンロスド王国の国王で君主であるロスドル国王の長男である。ミカツェルリアには妹もいたが、国を引き継ぐのは男児の務めであり、文字通りミカツェルリアは王子であった。
ミカツェルリアも年頃になり、そろそろ結婚をと周囲に勧められていたものの、見合いで会うことの出来る人物には、おもしろみも何より興味が持てなかった。次第にミカツェルリア王子は、結婚活動に消極的になって行く。
そんな息子に業を煮やしたロスドル国王は、ミカツェルリア王子を呼び出した。
「どういう事だミカツェルリア。貴様そんなにワシの顔に泥を塗りたいのか?」
「そう言う訳じゃないんだけどさ。何か見合いってつまんないんだよね。」
「貴様は次期ハンロスド王国の君主になるんだぞ?そんな事は言ってられない。」
「てめぇの嫁くらい、てめぇで選ばせて欲しいだけなんだよ。」
「ならば1年間の猶予を与える。」
「分かった。それでも駄目なら父さんの言う通りにするよ。」
こうしてミカツェルリア王子は、世界各地に自分の嫁を探すと言う旅に出ることになった。家来であるウェルガーとサンゴストを引き連れての外遊?と言う形で、1年間ハンロスド王国を離れる事になったのである。
「おい、行くぞ、お前ら。」
世界一ワガママな王子の波乱に満ちた恋の物語が始まった。一体ミカツェルリア王子はどんな女性と結ばれる事になるのか?それはこの旅で分かるかもしれないし、分からないかもしれない。




