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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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親業

 その2年後には長女愛美(まなみ)が誕生した。久五郎は第2子の誕生にとても喜んだ。それは雅代も同じであった。子供が可愛くない親などいない。龍明や愛美が大きくなって子供を授かれば、久五郎や雅代はお爺ちゃん、お婆ちゃんになる。まだ当分先の事ではあるが。

 そうやって池倉家の血筋は広がるのだ。学生時代にはこんな幸せが未来が来るとはとても思えなかった。それは久五郎の自信が無かった事に尽きる。

 しかし、就職し結婚した事で大人としての自覚が芽生え、次第に一国一城の主としての才覚が芽生えた。このままではいけないと思う事は大切である。危機感がなければ、人は堕落する生き物である。やがて仕事にも身が入る様になったし、一層の努力をする様になった。

 生島には金がかかる。と、嘆く前に自分の生活を見直した。子供を持った事は、必ずしもマイナス要因になるとは限らない。面倒だから子供をもうけない。それも一つの価値観・選択肢であり、別にそれは悪ではない。

 しかし、子供を持った事によるマイナス面ばかりをクローズアップし、フォーカスをそこに当てるのは正しい事ではない。子供を授かる事によるメリットもきちんと存在する訳で、子供を作らない理由ばかりを強調すべきではない。人間が生物である以上、生殖と言うのは、大きなテーマであり、それは完全に否定する事は出来ないのである。

 子供の成長を苦労しながらも手伝い、保護者として大人になるまで胸を張って社会に送り出せる様に育て上げる。これは何物にも代えがたい幸せであり、経験である。親業と言う言葉があるように、親を務めると言う事は、一種の仕事である。子供を持った以上は、きちんといっぱしの大人になるまで育て上げるのは、親の使命である。責任や義務と言うものとも言える。

 親業からは逃れられない。一度発生した親業からはその義務からは、子供が大人になるまで続く。いや、成人してからも繋がりは消せない。だからこそ、親に成る事は生半可な事ではないのである。だから中途半端な気持ちで親は務まらないのである。

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