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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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イクメンの是非

 生まれて来たのは男の子だった。名前は龍明(たつあき)になった。3500gオーバーの超大型ベイビーだった。久五郎は思った。こいつは俺に似て恰幅の良い男になるぞ、と。母子共に健康であった。3日も経つ頃には雅代はおっぱいをあげ始めていた。

 「かわいいね。やっぱり自分のお腹を痛めて産んだ子だしね。」

 「男の子で俺は嬉しいよ。」

 「どっちでも良かったんじゃないの?」

 「隠していたけど、男の子を望んでいた。」

 「じゃあ次は女の子を産まなくちゃ。」

 「そうだよな。確かにバランスを考えたら次は女の子だな。」

 「それにしてもビックベイビーだね。将来は横綱かな?」

 「我が子には大谷翔平みたいなプロ野球選手になって欲しいな。まぁ、力士も悪くない。」

 「子供が何をやるのか今から想像してるなんて親バカも良い所だよ?」

 「孫の誕生に親父もおふくろも、父さんもお母様も喜ぶよ。」

 「そうね。でも喜んでばかりもいられないわよ?育児があるし。」

 「分かっているよ。雅代に任せっきりなんて事にはしないよ。」

 大切な事だった。夫婦で特に夫が育児をする所謂イクメンが最近は時代の流れらしい。日本では最近まで育児や家事は女の仕事だと言う男尊女卑の時代の名残が未だに抜けきらずあしき伝統が庶民には根強く残っている。

 親を名乗るのなら育児は男女平等に分担するのは当たり前の事である。日本ではつい最近までは、家は女の守ると言う古くさい伝統が一般的であった。

 だが今は違う。女性の生き方も多様化している。女性の権利を守りたいとか、女性が家を守るものだと言う事を言いたいのではなく、夫婦の責任で子供を授かった以上、夫も妻も平等に育児・家事を行うべきであり、イクメンなど、古くさい伝統から生まれたものでしかない。今は、夫婦共働きの世帯も増えているが、未だに専業主婦も一定数いる。

 家族の形は人それぞれあり、仕事の忙しさを理由に子供と向き合わないのはネグレクトと同じ大きな間違いである。イクメンが偉いのではなく、イクメンにすらならない男達が駄目なのである。家を守るのは何も女性だけとは限らない。一家の大黒柱である夫が、しっかり支えている事が前提にはある。

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