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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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愛の結晶

 出産したら名前をつけなくてはならない。民法では出生後14日以内に出生届けを役所に提出し、尚且つ戸籍の登録をする事が義務付けられている。もし仮に14日以内に戸籍登録を済ませなければその子供は無戸籍になる。それはつまり、書類上は生まれていないのと同じ事になる。

 勿論、14日以上経っても戸籍の登録は出来るが、やはり法律で決められた期限を守ると言う事は保護者としての責務であるだろう。戸籍を作る為には、名前(氏名)が必要である。普通は妊娠が分かった段階において、いくつかの名前の候補を考えておくものであり、子供に愛情があるならば大抵の夫婦はそうする。

 今は便利な時代になったもので、生まれる前に男か女か分かる。早期の性別判断により、男女両方の名前を考えずに済んだ。雅代は今の段階では、妊娠3ヶ月目と言う事もあり、雅代のお腹にいる子供の性別判断は難しい。久五郎ははやとちりして、男女どちらの子供が生まれても良い様に名前を複数用意していた。

 久五郎のイチオシは、男の子なら龍明(たつあき)、女の子なら愛美(まなみ)だった。雅代の反応も確認しつつ、二人で必死に考えていた。生まれて来るならば正直どちらでも良かった。無事に健康に生まれてくれればそれだけで良い。二人の愛の結晶である事に変わりはないからだ。

 雅代にとっては初産(ういざん)だったが、不思議と不安は無かった。不安や緊張と言うのも無さそうである。経験が無いのにしては妙に落ち着いているので、久五郎は雅代に聞いてみた。すると雅代はこう答えた。

 「不安や緊張はQちゃんがいてくれるからないよ!」

 久五郎は改めて自分に大切な人が出来た、結婚したのだと思った。雅代からの絶大なる信頼感を聞かされた久五郎は、それにしっかり応えなければいけないとも思った。雅代、安心して元気な赤ん坊を産んでくれよと。

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