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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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未来に繋がる今

 水菜美も青龍と同様に親友にデート写真を見せびらかしていた。やはり、付き合うと性格まで似ると言うのは本当であった様である。

 さて、川合京子も奥野同様に大学共通学力テストを終えて、一息ついた所であった。

 「へぇ、青龍君免許取ったんだ?」

 「そうなの。やっぱり、移動出来る範囲が広がるのは良い事なのかもなのね。」

 二人は終始この様なペースで会話を続けた。奥野が国公立大学を目指して余裕が無かったのに対して、京子は有名私立大学を受験する事にしていた為、会話にも若干の余裕が感じられた。国公立大学と私立大学では、勉強しなければならない教科の数が全く違う。国公立大学組は二次試験もあり、この時期はカリカリする。

 余談になってしまったが、水菜美は京子に写真を見て貰った事に感動していた。春はまだもう少し先の事であったが、水菜美も京子も近い将来の自分の為に、準備をしなくてはならなかった。無論それは、全国の高校3年生に共通して言える事なのだが。

 まぁ、中学校を卒業した後は完全に自由である。職人になる者もいる。高校までは出ておこうと思うのも良い。全日制の高校が肌に合わないから定時制の高校に通うも良し。100人いたら100通りの道があるのだ。

 今はお金と学力さえあれば、誰でも自由に大学への門戸が広がり、行ける世の中である。大学進学率も高い水準になった。それでも高校を卒業して青龍の様に就職する者も沢山いる。別に大学に行くだけが人生ではない。

 問題は何をやりたいか?と言う問いに対して、その道がベストなものであるかと言う事である。やりたい事があって大学に進学したは良いものの、思っていたものとは違い中退するなんてのはザラにある。大卒のブランドが欲しいのか?まぁ、それは人それぞれ考え方は違うだろう。

 自分の目標の為に最良の道を選べたかで、5年後、10年後の自分が変わって来る。そこが進学するか就職するかの選択の焦点になる。ただ何となく授業を受け、何となく就職を決めてしまうと、人生自体が何となく流されたモノになってしまう。正解はないが、よりベターな道は必ずある。そう悩めるのは、若さの特権である。

 人間は老いて行くと、諦めると言う芸技を覚える。どうせ社会はこんなもの。どうせ自分は全力を尽くしても大した見返りはない。そう言う負の思考で、頭が凝り固まる。若いうちに沢山の事を経験しておく事は、非常に大切である。青龍も水菜美もそう言う大切な時期にいたのである。

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