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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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理想のデートスポット

 デートプランを考えるのは退屈ではなかった。あらかじめ2つか3つ程、水菜美の要望を踏まえて自分も行きたい所に照準を合わせるのである。こう言う事は男がリードするものだと言う考え方が、少なからず青龍にはあったが、その事について水菜美は悪い顔はしていなかった。

 寧ろ、彼女にはどこのスポットがどうでとか、その様な類いの事に疎かったから、青龍の様に分かっている人にやって貰えて大助かりであった。需要と供給のバランスがばっちり合っていた為、上手く役割分担が出来ていたのであった。

 車と言う新たなツールを手に入れた事で、二人のデートも有名な所から穴場的な所まで、自在に行ける様になっていた。好きな人と二人で行く事に意味があると青龍はプランを立てていて思った。いくら有名な所だからと言っても、一人で行っても多分何も思わないだろう。男友達と行っても多分好きな人と行く様なトキメキやドキドキは味わえない。そんな事を考えながら青龍はパソコンの画面とにらめっこしていた。

 お泊まりデートも考えたが、もう少し大人になるまで、封印しておこうと言う算段が青龍の中にはあった。高校卒業して20歳を過ぎた辺りでまだ水菜美と付き合っていたら、その時は誰に気を使う事もなく、お泊まりデートをしてやる。とそう思った。青龍は案外律儀な男なのかもしれない。

 しかしながら、冬場のデートスポット探しには、苦労した。と言うか重労働であった。天候を考慮する必要の少ない夏場とは違い、冬場のデートスポットは選択肢が狭い。スキーやスノボも初めは良いが、そう何度も繰り返し行ける訳ではない。雪と言うものは基本的に厄介物で悩みの種であるが、屋内レジャーの貴重さを感じさせた。

 折角、青龍の父の車を借りて行くのだから、映画を見て、食事するというのもベタすぎる。ガソリン代は青龍の小遣いから負担する事になっていた為、青龍としては遠距離プランは選択肢から外れた。そう言いながら、熟慮して辿り着いたのが、TDL(東京ディズニーリゾート)であった。舞浜なら冬でもあまり雪は降る可能性は低い。金はすっ飛ぶが、水菜美を楽しませるには充分過ぎる。

 夏のTDLはあまり気乗りしないが、冬場のデートスポットとしては、適任である。後日水菜美に伝えると、ガチで喜んでいた。まぁ、女性でTDLに行くと言われて喜ばないのは不健全である。

 こうして、次の土曜日に青龍と水菜美は、車で2時間程の東京ディズニーリゾートに行く事になった。我ながらよく思い付いた方であると思う。とは言え、往復4時間の運転だけでも、気が滅入った。まぁ、水菜美は喜ぶなら致し方ない。

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