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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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勝利の3つのポイント

 ムシャカマルにとって初陣となった函館総攻撃は、驚くほどの戦果をあげて劣勢が続いていた徳川連合軍が圧勝を遂げる形で、新政府軍を退けた。明らかに装備も兵力も劣る徳川連合軍が勝利出来たポイントは3つあった。

 一つ目はムシャカマルの作戦の巧みさ。二つ目は新政府軍の持つ兵器の持つ特性を充分に把握していた事。三つ目はムシャカマル自身が人智を越えた強さの持ち主であった事。この三点であった。一点目二点目については説明するまでもないだろう。

 ムシャカマルの強さに疑問を抱いていた土方も、ムシャカマルの活躍を見てその疑問が解消するには、充分過ぎるものであった。そしてムシャカマルが余力を残して戦っていた事にも驚いた。獅子奮迅流の秘剣を使うまでもなく、ムシャカマルは続々と作戦を遂行する為に邪魔な人物だけを狙い撃ちしていた。ムシャカマルの剣の腕はさることながら、彼の強さを支えていたのは、持っている剣にもあった。虎龍世悪(コルセア)と言う名の剣は見た目は普通の日本刀だが、恐ろしいほど軽く切れ味は抜群で、強度も申し分無いものであった。

 獅子奮迅流を極めた折りに師匠である川荒導師(カアラどうし)から、授かったもので由緒正しき名剣であった。コルセアは、軽い分技を扱うのには非常にコツがいる。ムシャカマルも獅子奮迅流の技の会得には随分苦労した。まぁ、そんな事もあり、こうして新政府軍を圧倒する力を得た訳である。

 ムシャカマルはまだ親の顔を認識出来ない様な赤子の頃にカアラ導師に拾われた。ムシャカマルは家族もいない捨て子であった。その為、カアラ導師がムシャカマルにとっては親代わりの様なものであった。3年程前にカアラ導師が亡くなってからは、ムシャカマルは諸国周遊の流れ者であった。何の因果があって蝦夷地に来たのは定かではないが、巡り合わせもあったのだろう。ムシャカマルには、目的も目標も無かった。ただ、これと見込んだ人物には入れ込むと言う性分もあって、今は土方や榎本と言った徳川連合軍に肩入れしている。

 そんな中でムシャカマルにとっての初陣は、デモンストレーションに近いものがあった。ここで力を示す事で自分の力を味方に認めてもらう。ムシャカマルの強さは、説得力充分の強さであった事は繰り返すまでもない。

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