第3部最終話・最高の調味料
笑顔は最高の調味料である。笑顔で食事をするといつもより美味しく食事をする事が出来る。それは嘘じゃない。食事と言うものは笑顔でするものであり、楽しい一時のはずである。マクドナルドにおいては、そう言う一時を提供する事こそが理想なのだろう。確かにマクドナルドの店内はスマイルで溢れている。勿論、お一人様で来て好きな様に過ごしている人もいる。それでもマクドナルドがスマイルを提供している事に変わりはないのだ。
ハンバーガーと言う米国の食文化と言う枠を越え、マクドナルドはこれからも新しい味と可能性を追求して行く事であろう。チーフの井上と松岡。バイトリーダーの田丸。そして他のクルー達。田川の下には優秀な部下が沢山いる。妻の涼子や長男の一郎に長女の舞子も田川の生きる支えになっている。田川はこれからも体力の続く限りマクドナルドで働くつもりである。
田川はこの仕事に誇りを持っている。言うなればマクドナルド・プライドである。この店はもっともっと成長出来る可能性を持っている。今も充分に業界のパイオニアとしてファーストフードチェーンを引っ張っているが、そのマルチな才能はまだまだその一端を見せているに過ぎない。たかがハンバーガーショップがデカイ口を叩くな。言われてみれば確かにその通りである。笑顔を提供しています、なんて格好の良い事ばかり言って、中身は大した事無いじゃないか?と言う意見もあるかも知れない。
それでもマクドナルドの商品は、人を幸せにする力を秘めている。そうだとするならば、田川達マクドナルドクルーが働く意味はあるのであろう。何が良くて、何が悪いかなんて分からないものであり、ハンバーガー一つが世界を変えたのは事実である。そう信じ田川達マクドナルドクルーは世界を変える一端を担った。フライドポテトなんて格好つけたってただの油で揚げたカットジャガイモじゃないか。何でも英語や横文字にすれば良いと思うなかれ。
勿論、ご批判もあるのかもしれない。それでも田川達マクドナルドクルーは、ハンバーガー類やフライドポテト等を美味しくお客様に届ける事を生業にし、それをマクドナルド・プライドと呼ぶのならば、誰に何を言われようとも、マクドナルド・プライドを貫かなくてはならないのである。米国の本店に負けないとか、売り上げ日本一になるとか、大きな事は言わない。地域で一番愛されるハンバーガーチェーン店であれば、それで良い。田川はこれからも美味しさとスマイルをお客様に届け続けるだけだ。
マクドナルドを知らない人は今やほとんどいない。世界一のハンバーガーチェーン店と言っても過言ではないマクドナルドのハンバーガー。「Mの逆襲」と言って良い程、日本上陸時の反響は物凄かった。今では日本マクドナルドオリジナル商品もかなり増え、その勢いは米国本家のマクドナルドを越える勢いである。私はこの作品を通じてヒットメーカーのヒットの秘訣を知って貰いたかった。人物絵巻と言う程人間模様を描けていた訳ではないし、何よりもビジネス書の様な形になってしまった事は反省している。それでもマクドナルドの要点を抑える事で見えてきた物もある。マクドナルドを知る事はビジネスマンにとって、ヒントになる部分は多い。と私は思う。これからもマクドナルドには、新たなイノベーションを生み出して行って貰いたい。




