万国共通の武器
感情の要らない仕事はAIやロボットで代用出来る。マクドナルド程の洗練されたマニュアルがある企業ならば、別に人間にこだわる必要はない。それでも仕事をオートメーション化せずにヒューマンパワーでやっているのは、人にしか出せない何かが機械やAIを上回っている証である。
勿論、ロボットの技術水準がそこまで達していない事はよく分かる。それでも恐らくマクドナルドには、スマイルを生み出せる人間の力を選び続ける事であろう。AIやロボットの技術革新が目覚ましい昨今、人の力が衰退しても尚、まだ人間の力をマクドナルドは信じて使っている。AIやロボットとの共存。それがこれからの飲食業界の課題だろう。ロボットにスマイルは出せないし、人間に1秒でハンバーガーを作る事は出来ない。マクドナルドが作業をオートメーション化しない訳は、そうまでしてもスマイルにこだわっているからである。
それはスマイルが売り上げに直結しているからである。スマイルの絶えない店は販売実績が上がる。同じ事をAIやロボットに求めるのは現状難しい。スマイルのある人間と無愛想な人間では販売力に差が生まれる。スマイルがあるクルーの方がコミュニケーションをとりやすいであろうし、スマイルがないクルーよりも明らかにインプレッション(印象)が良い。様々な要因が絡み合う中において、販売戦略上スマイルがあるかないかと言う事は、非常に重要な事なのである。
少なくとも、人間が販売を担っている段階においては…。笑顔が莫大な利益を生み出すと言う事をマクドナルドはよく理解している。スマイルは万国共通の武器であるし、何よりも売る側も買う側も気持ちが良い。マクドナルドがここまでの大企業になれたのは、スマイルを巧みに使った戦略の成功が理由の一つとして上げられるのである。
味も大切だが、クルーの接客術も馬鹿には出来ない要素であると思う。お客様にも分かる形で裏メニューにスマイルを載せる辺りが、本当に商売が巧みであるとしか言いようがない。スマイルをメニュー化したのは、後にも先にもマクドナルド位だろう。それだけ笑顔が商売に影響する事を知り抜いていなければ、それを上手く利用する事は出来ない。要するに、商いと言うものの本質をよく見抜いている証なのであると言える。




