第20話スマイル
スマイルはマクドナルドにおいては商品である。プライスレスの0円ではあるが…。マクドナルドクルーにスマイルを注文するととびっきりの笑顔で応えてくれる。どんなビジネスにも当てはまるが、笑顔は最高の武器である。笑いの絶えない商談は相手の印象を抜群に良くする。接客業であるマクドナルドの業務も同じだろう。
不細工な顔で応対するよりも、笑顔を絶やさない接客の方が言うまでもなく好印象である。ファーストインプレッション(第一印象)は、人間関係における基礎であるが、意図を持ち戦略的にスマイルを用いている人間は意外と少ない。自然な笑顔の方が出せれば理想だが、まずは意図を持ち意識的な作り笑顔で良いから、出してみる事をオススメする。
それがいつの間にか自然な笑顔を出せる様になる為の第一歩になるのである。コミュニケーションにおける笑顔も、ビジネスにおける笑顔も、本質的には同じモノである。だとするならば、日常で何気無く笑っている事をビジネスに応用すれば良いのである。マクドナルドがスマイル0円を打ち出したのは、恐らく狙いがある。それがお客様とのコミュニケーションである事は言うまでもない。
ただ、無機質的に商品を渡すならばロボットやAI でも出来る。心のこもった人間味のある接客こそ、人間の武器である。オーダーをする時、大抵の人はメニュー表を見る。注文を受けるマクドナルドクルーも、慣れているとは言え多少なりとも緊張する。そこでマクドナルドクルーにスマイルをオーダーしてあげると、その場の雰囲気は抜群に良くなる。スマイルをオーダーする事で、マクドナルドクルーにスマイルの訓練をしてあげるとは、中々のしたたかさである。
お客様とのコミュニケーションを円滑にしようと考案されたスマイル0円ではあると思うが、こんな取り組みをしている店は世界広しと言えども日本のマクドナルド位だろう。そう言う分かりやすい目標を掲げさせる能力に、マクドナルドは秀でている企業であると言える。スマイル0円と言うのは、分かりやすく当たり前の事なのかもしれないが、それをあえてメニューに載せる辺りが、マクドナルドらしいと言える。




