第19話本家
ハンバーガーの本家本場と言えばやはり米国だ。流石に本家には敵わない。しかし日本マクドナルドの存在理由は、本家米国に勝る事を目的に商売をしている訳ではない。ハンバーガー類やフライドポテトの魅力を日本人にも分かって貰う為、食文化としてのファーストフードを確立したいと言う事に集約される。
米と魚が中心だった日本の食文化に、小麦と肉類と言う欧米の食文化が持ち込まれ、食文化の異種格闘技戦が発生した明治時代以降の日本。その中でもハンバーガーが日本に入ってきて半世紀。日本人は何の不思議もなく欧米の食文化を日本の食文化として取り入れてきた。逆に和食も海外ではブームになっている。2000年代に入るまでは日本食など見向きもされなかった。
その様な時代にマクドナルドやスターバックスやケンタッキーと言ったファーストフード強豪店ではなく、米国の都市にポツンとおにぎり屋をオープンさせる様なものである。最初の2~3ヶ月は物珍しさから集客が見込めるかもしれないが、次第にメッキは剥がれてくる。要するにマクドナルドが日本に進出した頃と言うのは、このおにぎり屋の様な状態であった。
何が言いたいかと言うと、マクドナルドは逆境にもめげず、良いものを出し続けて来た事が評価されマクドナルドは日本や米国だけではなく、堂々と世界展開して、世界一のファーストフード店として、名前を轟かせる事が出来たのである。世界各地で成功し、ビックマック指数なる経済指標まで作り出されるのであるから、これ以上の成功はないだろう。悪く言えば米国文化の押し売りとも受け止められるが、良く言えば異文化交流とも言える。
他国の食文化を知る事で、世界にはこんな美味しいものがあるのかと知る事は、消費者にとってマイナスな事ではないだろう。日本人もマクドナルドの様に己の文化を徹底的にビジネスに昇華する事を覚える事が出来たならば、そこはマクドナルドを参考にしても良いだろう。学ぶべき所は多いに有る。そしてそれは、既にビジネススタイルとして確立されている。




