需要と供給
テイクアウトと言うのは、新たな販売スタイルの一つであった。店舗を構えてお客様を出迎えると言うスタイル以外に販売方法が無いと言う事はお客様の選択肢を狭めていた。ところがテイクアウトはその飲食業界の既存の概念を見事に打ち破った。お客様は好きな時間に好きな場所で飲食が可能になった。これはかなり画期的な事だ。
テイクアウトは今でこそ当たり前だが、それ自体が飲食業界における革命であった。テイクアウト需要があると見込んで、それを始めたのがファーストフード業界である。需要がない所には供給は発生しないからだ。美味しいものは店におもむき食べるものと言う外食の概念を壊したが、テイクアウト需要を満たす事でお客様が増えたのは事実である。
その応用形態がドライブスルーであろうし、テイクアウトの形態の多様化の先駆けである。とは言え、マクドナルドであろうと他社であろうと外食産業の中軸は店で食べてくれるカスタマー(顧客)である。やはり店で出来立ての商品を熱いうちに美味しいうちに、食べてもらうのに勝る物はない。テイクアウトの弱点は熱いうちに鉄を打てない事ではないだろうか。つまり、美味しいものを美味しいうちに、食べられないと言う事が弱点らしい弱点ではある。
最も、好きな場所や時間に重点を置いているカスタマーが、テイクアウトを選択する訳であり鉄が熱いうちに打てない事は承知済みである。店で食べる良さも、テイクアウトを選択する良さも、お客様は理解してくれている。ただそれだけの事である。ただ、店側としてはどちらでも対応が出来ると言うスタンスでいる事で、テイクアウト需要も店内飲食需要も満たせる為、それが利益にダイレクトに直結するのである。




