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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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デジタルでアナログ

 一度別れた男女が動物園に行くと言う事は、復縁ありきのデートと見て間違いは無いだろう。青龍も水菜美も口にもメールにも出してはいなかったが、復縁と言う気持ちは大なり小なりあっただろう。

 動物園を見てランチを一緒に食べただけで、手を繋いだり、キスをした訳ではない。時間はあっという間に過ぎて行った。このデートだけで、今後に繋がると言うそんな淡い期待も全く無かった。

 その日家に帰ってから青龍はスマホを手離さなかった。

 「今日はありがとう。楽しかったよ!」

 と、青龍がメールすると、水菜美はこう返事した。

 「こちらこそ。何だか胸のつかえが取れたわ。」

 と、好印象だった様なメールを返す。メールのやり取りは毎日深夜まで続く事が多かったが、それだけを見ると恋人以外のナニモノでもなかった。普通自動車免許を取った事。TVは何を見ているか?等、メールのネタになるものは何でもメールしあった。少しでも長い時間水菜美と繋がっていたい。やはり、青龍には未練が残っていた。

 一度付き合っていた男女は別れてから知る良さと言うものも充分にある。寧ろ付き合っていた頃よりも、思い入れは強くなる傾向にある。やはりまだ、未練があるなら、戻せる内によりを戻したいと思うのが自然な事である。

 スマホと言う文明の利器が存在しなければ、ここまで水菜美と青龍が関係を修復出来なかったかも知れない。まぁ、手紙で文通する手段もあるから、一概にそうとも言えない。しかし、スマホに助けられた側面はやはり否めない。

 学校と言う接点がないと、スマホでしか繋がりを持てないのは、現代の学生の特徴であるかも知れない。それは異性に限った話ではない。現代の人間関係はスマホによりもたらされた影響と言うのは計り知れないものがある。送信ボタン一つでメッセージを送信出来るのであるから、こんなに便利な物はない。

 しかし、スマホに依存し過ぎると、今度は健全なる恋の仕方が分からなくなる。デジタルな人間関係は確かに繋がりが深まっているかの様に見えるかもしれないが、アナログな人間関係術を持ち合わせていなければ、バランスが上手く取れなくなってしまう。デジタルな生活に慣れたとしても、現代人にもアナログ的な感覚はある程度必要である。それを踏まえた上で、デジタル機器をスマートに使う術を覚えなくてはならない。

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