ビックリマンチョコ菓子
ビックリマンチョコと言う御菓子が1980年~90年代に流行した。ビックリマンシールがチョコ菓子の中に入っていて、玩具でお客様を集めようと言う発想はハッピーセットに類似する。ビックリマンチョコ菓子はウエハースタイプのザックリ食感のチョコ菓子である。プライスも100円以下で買える。ただそれだけで、大ヒット商品になった訳ではない。
ビックリマンチョコが人気になったのは、ビックリマンシールにある。このビックリマンシールの存在こそが、ビックリマンチョコ大ヒットの立役者である。種類に富んだシールを集めるコレクターが続出し、レア物からノーマルな物まであった。集めると言う行為に夢中になる子供の心理をよく掴んだものであり、次第に中のウエハースよりも、シールにばかり目が行き、ウエハースを食べる部隊と、シールを集める部隊に子供の派閥が分かれる程であった。
それから40年。今やビックリマンシールの価格は高騰。1枚で数万円、中には数十万円する代物もある。御菓子のおまけにこれ程の価値が付いたのは、ビックリマンチョコが最初である。
それは良いとしても、このビックリマンチョコをマクドナルドに置き換えるならば、ハッピーセットの玩具がビックリマンシールで、ビックリマンチョコはハンバーガー類と言う事になる。流石にマクドナルドでビックリマンチョコの様なレベルの玩具を生み出すのは難しいかもしれないが、それでもやろうとしている事は同じである。おもちゃで釣って自らの主力商品を売り込む。
それがきっかけとなってマクドナルドユーザーになってくれるのならば、ウエハース(商品)が多少悪くても構わない。そうした狙いが無かった訳ではないだろう。ビックリマンチョコがヒットしたのは、チョコ菓子に多様なシールを入れたと言うシンプルな発想でしかない。原価の少ないシールこそが、ビックリマンチョコを大ヒット商品に押し上げたのである。そこには、今までに例の無い目新しさと、子供に受け入れられる手頃な御菓子とのコンビネーションによるものがあった。
今となっては、そうした御菓子はありふれているが、きっとお客様にとって魅力的な商品展開をしていく上で、誰もやった事のない事に挑戦するリスクとメリットを考えた場合、挑戦すると言う勇気を持つ事は大切である。




