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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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マックポリス(マッポ)

 こんな事を言われた事もある。

 「ビックマックとメガマックは何が違うんですか?」

 確かに似ている。見た目では大差はない。パティの枚数で差別化していると分かっているのはバイヤー側だけの話であり、一般の消費者には分かりにくい。結局それがメガマックを早期販売終了に追い込ませる結果となった主要因であった。

 味がビックマックと大差ないと言う致命的弱点にクルー達が気付いたのは、販売からしばらくしてからの事であった。お客様の声をダイレクトに反映するマクドナルドでは、抜き打ちでお客様のふりをしてお客様アンケートに記入する覆面捜査員通称マッポ(マックポリス)が存在する。クルーに分からぬようにマッポは私服に変装しているし、メニューを注文しても全く他の客と区別はつかない。

 マッポは、現場レベルよりも高位の部署に配属されており、派遣先の店舗で躊躇わず駄目出しをする。当然、マッポに目をつけられた店舗やメニューは、チェックリストに入る。マッポの役割は第一に新メニューの売れ行きを確認する事にある。それに加えて、レギュラーメニューのチェックを欠かさない。要するにマッポは、ヒューマンサービスの駄目出しをする為ではなく、新メニューの提供状況を確認する為に存在している。

 机上の空論だけで終わらせない為にマッポを生み出したと言える。メガマックがマッポの目に留まるのも必然であった。マッポは新メニューを注文し黙々と食べる。その上で思っている事をお客様アンケートに記入して任務終了となるのだが、必ず忘れずにアンケートにマッポの調査員である"MP"の表記をせねばならない。こうする事でアンケートを開封した店舗側のクルーが、マッポの意見であると識別出来るのである。MP表記のあったアンケートを確認した日には、クルー全員で対策会議を行う。

 店長はその会議の様子を上層部のエリアマネージャーに報告する義務かある。メガマックに関して言えば、当初案程のインパクトや勢いが無い事がこのメニューを販売し続けるのか、ノーコンテニュー(販売終了)なのかを議論し尽くした。その結果、もう少し(2~3ヶ月程)様子を見ると言う意見でまとまった。メガマックに限らず、マッポは全メニューが捜査の対象になるのである。

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