第11話メガマック
バーガーのサイズで本家の米国マクドナルドに対抗しようとしたメニューが過去にはあった。それがメガマックである。ビックマックの1.5倍のパティが3枚重なったバンズからパティが溢れんばかりのこのメニューは、学生や男性客には受けたが、思ったほどの売り上げは計上する事は出来なかった。
理由は明確で、女性客がとにかく購入を躊躇ったからである。ただそれだけの事だ。マクドナルドの客層を分析しても女性客はそれなりの割合がいて、それがメガマックの販売数を頭打ちにさせた。男性客でも、ビックマックより大きなバーガーは食べられないと言う人がおり、目玉商品として定着する事は出来なかった。本場の米国のマクドナルドではメガマック位のサイズは並であるかもしれないが、アメリカンサイズは日本ではあまり浸透していないのが現状である。
田川の分析では、ただ大きければ良いとか、闇雲に量を増やしたりすれば良いと言う事だけでは売れないと言うものであった。コスパもタイパもメガマックは悪い。要は日本人の胃袋にはメガマックは大きすぎるのである。量より質で勝負した方が良いのが、日本市場には大切なのである。メガの次はギガ。ギガの次はテラ。所謂デカ盛り戦略を展開しようとしたのだが、マクドナルドでは失敗した。上層部の意見を大切にした形になったが、現場の意見を聞く事なく、見切り発車したのが失敗の始まりであった。
それよりも朝マックのラインナップを充実させたり、ハンバーガー類のメニューを増やす方が得策であると判断を下したのは言うまでもない。メガマックとは言え、中身はノーマルハンバーガー3つ分でしかない。ハンバーガー3つを頼んだ方がコスパも良い。メガマックは出た時は注目を浴びたがその天下は短いものであった。恐らく米国人ならば、受け入れたのかも知れないが、米国人でもメガマックは売れないだろう。
「どこがメガなの?」等と、言う様なツッコミを入れられる事は間違いない事であろうと思う。作り手としては大きなハンバーガーを頬張る姿を見るのは悪い気持ちはしなかったが、やはりマクドナルドも一般企業である。収益の低い商品をいつまでも販売し続ける様な事はしない。そこまで頭は悪くはないと言える。




