お客様や現場の声を尊重せよ
きっとてりやきマックバーガーは本場の米国人には日本人程のヒット商品にはならないだろう。何故ならば、彼等はてりやきマックバーガーよりも重量感のあるステーキと言う物を知っているからである。とにかく濃い味を好む米国人は、てりやきマックバーガーでは役不足なのである。米国人はソースの濃さよりもパティの重量感を求める傾向にあり、とにかく肉を食べたいのである。
そんな米国人にソースやスパイスと言った小手先で勝負しても、勝ち目はないのだ。これは世界中のマクドナルド関係者で知られている事であり大原則である。基本的に売れるメニュー、ヒット商品と言う物は地域色が出るものだ。どの国で何がヒットするのかを見極める事で、新メニューの開発は進められる。
肉を食べないならフィレオフィッシュを押し出すし、インドで牛肉は提供出来ない。イスラム教徒には豚肉は出せないし、食べられないものは利益にならない。それと同じ事がてりやきマックバーガーにも言えるのだ。日本人の平均的な志向を研究するように戦略を模索して、販売戦略を考える姿勢が必要である。そう言う意味では新メニューは試金石である。だからこそ、定期的に新メニューを開発して現場に送り込む必要性があると言える。
日本にマクドナルドが上陸して半世紀。まだまだ日本人の舌がどんなメニューを求めているかは、全体像は見えていない。最も若い世代と高齢者では志向にばらつきがある。新メニューの開発はそうしたギャップを解消する為にも投入が必要なのである。過去にはいくつもの新メニューがボツになったり、売れ筋になったりしてきた。これからもその繰り返しではあると言える。
てりやきソースは日本マクドナルド発祥の商品であるし、それは大きな誇りである。米国人でも開発出来なかったのは、日本のてりやき文化を参考にしたからであろう。とは言え、たまたまヒット商品になった成功例に過ぎず、これからは第2第3のてりやきマックバーガーをこえる物を開発して行く必要がある。
商品開発は現場の仕事ではないが、是非とも現場やお客様の声に耳を傾ける商品開発をして欲しい。その商品は必ず売れるメニューになるだろうと考える。マクドナルドでは、商品開発をしている人が偉いのではなく、現場で汗を流している人が偉いわけでもない。最も正社員クルーやアルバイト・パートクルー間には上下関係はあるにせよクルー一人一人の意見を尊重している会社だと田川は信じている。現場の声に耳を傾ける商品はマクドナルドだけの話ではない。企業の成長戦略に必要なストラテジーである。何かを販売すると言う為には何でもやると言う姿勢は必要な事ではないだろうかと思うのである。




