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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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チーム田川

 田川は店長であるが、その下にチーフが二人、その下にバイトリーダーが一人、その下にアルバイト・パートクルーが15人程いる。店舗によりその形態は変わるが、基本的な上下関係は明確になっている。

 田川の店では、チーフAが井上、チーフBが松岡、バイトリーダーが田丸となっている。チーフAとチーフBに序列は無く、クルーの体制がA班B班となっている為、チーフが二人いる。マクドナルドでは、クルーの大半をアルバイト・パートで賄っている為、必然的にバイトリーダーと言うポジションの必要性が生まれて来るのである。

 マクドナルドのクルーは主として二つに分類される。正社員クルーとアルバイト・パートクルーである。基本的な上下関係は正社員の方が偉い。偉いと言うと語弊があるが、田川の店では序列はこうなる。アルバイト・パートクルー→バイトリーダー→正社員→チーフA、B→店長。となっている。こうやって指揮命令系統を分かりやすく、理路整然としておくことで、要らぬトラブルを回避する狙いもある。

 店長は勿論大切な存在であるが、田川一人で店の全てをカバーする事は出来ない。そこで活躍するのが、副店長クラスにあたるチーフA、Bとバイトリーダーである。チーフの仕事は、クルー全体を見渡し、正社員クルーやアルバイト・パートクルーに常に気を使わねばならない。店長が不在の時は店の責任者代行でもある。バイトリーダーは文字通りアルバイト・パートクルーをまとめるベテランクルーである。バイト歴が長い人が多く軍隊で言えば下士官の様な存在である。

 こうやって序列を明確にし、自分は何をしなければならないのかと言う事を明確にして、マクドナルドは経営を続けてきた。チーフAの井上はバイトリーダーからの言わば叩き上げ。チーフBの松岡は有名私立大学卒のエリートで、マクドナルドよりも収入のある企業の内定を全て蹴って入社した若手の幹部候補社員である。バイトリーダーの田丸は高校を中退したと言うハンデがありながら頑張って働き、田川からその頑張りを評価されて、バイトリーダーになっていた。

 それ以外のポジションにいるアルバイト・パートクルーにもそれぞれが様々な経歴を持ちマクドナルドで働く事を選んだ。全ての人に理想の職場を提供出来ているとは、おこがましくも思えないが、皆全力を尽くしてやっているし、田川や幹部社員もそれに応えていると思う。「スマイル0円努力1円」これが田川のポリシーである。自分への投資つまり、努力は0円と言う事にはならない。無駄な努力はないと言う事である。小さな努力で大きな夢を掴む。夢は小さな努力の果てにある。それが田川のポリシーである。

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