第3話100円マック
今は物価高で実施されていないが、税込100円の100円マックと言う低価格帯のメニューが存在した。ハンバーガーや珈琲にSサイズドリンクなど、マクドナルドにとってはデフレ時代を戦い抜く中で生まれた商材であった。
税込100円。飲食業界では端数の商品はキリが悪く、売れにくい。100円ショップとは違うからだ。泣く泣く100円マックは終了し、マクドナルドからは姿を消したが、今も低価格帯の商品はある。しかし、本家米国のマクドナルドは1ドルマックはやっていない。
米国国民はマクドナルドに安さを求めていない。そこにマクドナルドがあるから行くのである。要するに値段など気にせず、好きなだけハンバーガーやフライドポテトやジュース等ジャンクな物を食べ、背徳感を得たいのが米国人なのである。だが、日本人はそうではない。今やマクドナルドを筆頭としたファーストフード業界のみならず、コンビニ各社やスーパーも独自の戦略で勝負する時代である。
米国のようにそこにマクドナルドがあるから行くのではなく、魅力的な商品をマクドナルドでしか食べられない物があるから行くのである。当然値段も加味するだろう。ハンバーガーを食べる習慣の無かった日本人にとって、ここまでマクドナルドが浸透したのは、何よりも早くて安くて旨いからであり、適度な満腹感を得られるからである。
その中で近年、マクドナルドの中心選手は水物の期間限定メニューではなく、誰もが頼むフライドポテトやナゲット、バーガー類にシフトしている。原点回帰の動きはマクドナルドにとどまらない。低価格帯の商品をカスタマーは求めており、マクドナルドは高いというイメージを払拭させたいと感じているに違いない。勿論、期間限定メニューの投入は同業他社もやっており、レギュラーメニューの充実は欠かせない。
とは言え、100円マックがあった頃に比べるとマクドナルドは高くなったと感じているカスタマーが多いのは事実である。




