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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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留土羅のスピーチ①

 身の丈にあった生活をすると言うのは重要な事である。背伸びをする事で得られる様なものは、それだけ無理をしなければ得られないものでは無いと言う事でもある。分相応と言う言葉が示す様に、自分の身の丈を知る事は人生を充実させる事に繋がる。それを知らずに毎日を過ごしてしまうと、いつの間にか無理をしてしまう事になる。

 結婚や出産の様な人生の転機にあっても同じ事が言える。世間に見栄を張り、少しでも自分のステータスを高く見せようとする。結局それで何が得られると言うのか?そう言う身の丈に合わない無理は積もり積もって人生の歯車を狂わせてしまう事を知っておくべきである。

 留土羅は結婚式で話すスピーチをノート4ページ分びっしり書いた。以下はその全てである。

 「本日はお忙しい中、お集まり頂きまして誠にありがとうございます。小生は丁寧な言葉で想いを伝える事が出来ません。お聞き苦しい点はあるかも知れませんが、しばし新郎の決意をお聴き下さい。世の中は、不景気だとか仕事が無いとか、そう言うマイナスな状況でありながら、誰一人否定する事が出来ない負の側面が存在します。そんな中にあっても、人々は各々に生きる道を見つけてもがいてあがいている訳であります。結婚と言うものは、要するに伴侶を得て子孫を増やす過程に過ぎず、自分の生き残る道を拡大して行く行為に過ぎません。勿論そこには、妻や子供への愛情はきちんと存在します。それでも、全ては皆一人一人が生きていく為の生存本能に過ぎず、結婚を選択すると私は思うのです。私の母はドイツ人です。こんなヨーロッパ的な顔立ちをしているにも関わらず話せるのは日本語と少々のドイツ語だけです。過去には私のルックスに魅了され、声をかけてくる人もいましたが、恋愛には繋がりませんでした。それは私がそう言う表面的な恋愛に興味が無かったからです。私の全てを受け入れてくれるパートナーとしか恋愛したく無かった。そんな中で出会ったのが妻の本宮修子でした。妻には失礼ですが、見た目な派手さはありませんでした。もっと美人な女性は沢山いるでしょう。」

 ※以下、次項に続く。

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