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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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第1部・第2章~1度目の別れ~

 二人はどこですれ違ってしまったのか?今の様にスマホがあればなったのか?いや、そう言う問題ではない。少なくとも三船太陽と水菜美が惹かれ合う様になってしまったのは青龍のせいだ。と言う自覚が彼にはある。

 只、納得のいかないのは、どうしてもっとコミニケーションを取れなかったかと言う事である。青龍と水菜美の間で、充分なコミニケーションさえあれば、防げた別れかもしれないと言う悔いはある。

 別れた後に青龍には恋人はいない。作ろうとも思わなかった。それは直ぐに水菜美と復縁出来ると直感で感じていたからである。三船太陽には申し訳無いが、今回の一件は三船太陽の人間性ではなく、完全に青龍が油断していたと言う自覚がある。これだけ理由の分かりきった別れと言うものは珍しい事だろう。

 相手がいないから焦ると言う様な気持ちは無い。気の合わない相手を無理矢理見つけて付き合う位なら、一人でいた方が傷は浅いだろう。君井青龍と言う男はそう言う男である。水菜美と言うハードルの高い彼女を知ってしまった青龍には、他の女性では物足りなく感じていた。

 水菜美と三船太陽がどんな関係になっても、気にならない。と言えば嘘になるが、今は何も感情が湧かない。只、水菜美と三船太陽が長続きする様な感じはしなかった。それは青龍の所に戻って来るような自信と言うよりも直感に近いものを感じていた。

 独り身になった青龍は、ここぞとばかりに就活を本格化させる事にする。水菜美と別れたのは、単なるきっかけに過ぎない。高卒で就活をするのは遅すぎる位であったが、今の内に進路を確定させたかった。コネで入れる様な親のつては無かった。頼れるのは、ハローワークだけである。公務員志望ではなかった為、勉強する必要は無かったがそのうち決まるだろうと言う軽い気持ちだった。実際、職種にこだわらなければ沢山の仕事があった。待遇もばらつきがあるが、大差は無かった。

 青龍は、結局造船会社に就職が決まった。正社員雇用で60歳までは雇って貰える。造船に興味は無かったが、やりがいはありそうで、両親もOKを出してくれていた。高校生としてやらなければいけない事は一応これで終わった事になったのである。

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