有休取得にあたって
「修子、俺分かった気がする。何で修子じゃなきゃ駄目なのか。」
「何だろう?全然分かんないけど。気になるから教えてよね。」
「運命の人なんだよ。生まれた瞬間からもう決まってたんだよ。」
「それ自体は否定しないけど、理知的な留土羅らしくないわね?」
「いくら考えても、理論や物理法則では説明がつかない。」
「人の力が及ばない所もあるって事よね。確かにそう言うものも関係しているかもね。」
「こうして同じ会社に入った事も、こうして付き合っているのも、全ては運命。」
「確かにそう言う縁が無ければ、交わる事すら無いわけだし。」
「だからどうしたって事は無いけど、そう言う要素で説明がつく。」
「不思議だよね。人間の廻り合わせってさ。本当にそう思う。」
「人間の運命何て生まれた瞬間からもう決まっているんだからさ、どうあがいても落ち着く所に落ち着くんだよ。」
「へぇ、そうなんだ。それなら何となく納得出来るわね。」
「話変わるけど、休み全然取れなくてごめん。」
「いいよ。それは。仕事大変なのは同僚として分かるから。」
「でも、一度くらいゆっくりしたいよね?ってなると、そうかこう言う時の有休か!」
「そうね。私も先輩から有休消化促されてた。」
「good!それは名案だね。どこ行きたい?」
「温泉が良い!」
「箱根とかどう?」
「いいね。手頃な旅館とかあるかな?」
「留土羅、もしかして日本の温泉初めて?」
「このルックスだろ?外国人お断り何て言われて20数年。日本の温泉は初めてだね!」
「でも、誰かと行けば良かったんじゃない?」
「俺がそんなアクティブな人間じゃない事位修子なら分かるだろ?」
「私なら上手く説明出来るわ。」
「ああ。頼むよ!」
「日本人は話しは早いから。」
「箱根なら海外からの客にも慣れてるだろうしな。」
「温泉好きじゃなくても、外さないポイントだもんね。」
「日本の温泉はいっぱいあるけど、関東近辺と言えば、箱根だよな。」
「二人で同時に有休とって会社に怪しまれないかな?」
「プライベートな事までとやかく言われる会社じゃないでしょ?」
「付き合ってるのがばれたらクビとか?」
「いやいやいやいや。何処かのアイドルグループじゃないんだからさ、大丈夫でしょ。そこは。」
「そうだよね。周りの事は関係無いよね。」




