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佐久間五十六厳選ヒューマンストーリー集  作者: 佐久間五十六


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全力の誠意

 女性とあまり長く付き合った経験の無い留土羅も気付けば、本宮と付き合って半年が経過しようとしていた。何故か不思議と時間が過ぎるのがあっと言う間なのである。好きとか嫌いとかそう言う次元の話ではない。そんな体験は初めてだった。今の留土羅には本宮無しの人生なんて考えられない。そこまで想いが暖まってきていた。

 本宮も彼氏が出来たのは留土羅が初めてで、浮かれに浮かれていた。そんな中にあっても仕事はおろそかにしない。きちんと職責は果たそう。それが二人の約束ごとであった。仕事は仕事。プライベートはプライベート。と、完全に割り切る様にする為のものであった。

 若いのに立派なものである。思っていても、思い通りにいかないものが、目標と言うものであろう。経験が少ないと言っているにしても、良く出来たカップルになれていた。好きだ嫌いだと言う感情が高次元に成る為には、このくらいのメリハリは必要である。好きだけどマンネリ化する事で浮気等の別れる原因が発生しかねない。そう言う不安要素は早めに潰しておいた方が望ましい。

 これを仕事と両立させようと言うのだから、とにかくエネルギーを使う。仕事に慣れて来たと言っても、社会人経験まだ1年である。油断すればすぐにバランスを崩す事に成る。だからこそ、これだけはやっておこうと言うものを明確にして、これだけはやってはいけないと言うネガティブリストを打ち出す事で、適度な二人のスタンダードを導き出して、未来に繋げようとしていたのは良い事である。

 つい、日常の忙しさのせいにしてみたり、自分の非を誰かのせいにしてみたくなるのが、人間と言う生き物である。そうやって自分を正当化する事でしか存在意義を見出だせない時もあるだろう。しかしながら、その課題に逃げずにきちんと向き合っている人もいる。この差が大きいのではないだろうか?人はもっともっと楽をしたがる。世の中の流れは常にそうだ。便利にまだ出来る、まだ出来ると。

 と言う様な楽をしたい欲求が人間を怠惰にさせる。だが、恋愛はそうはいかない。楽をする事はしっぺ返しを食う事に繋がる。世の中そうは甘くない。そう言うものだと思って、1日1日を全力で過ごし、相手に全力の誠意を見せてようやく、成功するかしないかと言うものだと考えなければ、自分の愛を完遂させたとは言えないだろう。

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