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第九十九話 視察完了

 主要部分を案内し終わったので、僕達は応接室に戻ります。

 皆にお茶を飲んでもらいながら、感想を言い合います。


「新しいギルドにしては、弟殿下は良くやってるよ。まあ、今は前の薬師ギルドの負の遺産をどうにかしないとな」

「はい、そうですね。ちょうど今は公爵家の事もあってポーション作りに専念しているので、今の内に書類もやっつけます」


 職人ギルドマスターの言う通り前の薬師ギルドの書類が沢山あるので、先ずはそれをどうにかしないといけない。

 頑張って、皆が新しい事をできる様にしないといけないよね。


「後は、今は焦らずに手を広げない方が宜しいかと。クロノ殿下は、まだ色々な勉強をしなければなりません。エミリア殿を筆頭にクロノ殿下を支えてくれる方がおりますので、先ずはポーション作りに専念して頂いた方が宜しいかと思います」

「そうですね。やりたい事はあるのですけど、焦らない事にします」


 商工ギルドマスターからも、今は焦らない方が良いと言われてしまいました。

 あの公爵家との件もあるし、ちょうど良いのかもしれないです。


「落ち着いてからで良いから、今度はあたしらの所にも顔を出した方が良いね。他のギルドの様子を見るのも、ギルドマスターとして大切な仕事だよ」

「はい、ありがとうございます。僕も皆さんに色々と指摘して貰って、とても勉強になりました」


 服飾ギルドマスターが言う様に、機会があったら他のギルド本部に行ってみよう。

 他のギルドマスターは流石というか、僕達の色々な事に気がついて質問してきたもんね。

 僕も頑張って、立派なギルドマスターにならないと。

 ちょうど良いから、使用人ギルドの会長さんにドリーお姉ちゃんの希望を伝えてみよう。


「使用人ギルドの会長さん、研究室にいたドリーお姉ちゃんがもっと薬草の勉強をしたいと言っています。薬草に詳しい家庭教師を派遣して貰う事は可能ですか?」

「薬草に詳しい家庭教師ですか? うーん」


 すると、使用人ギルドの会長さんは腕を組んで考え込んでしまった。

 何か問題が有ったのかな?

 すると、冒険者ギルドマスターが使用人ギルドの会長さんに代わって疑問に答えてくれた。


「私もあの研究室を見たが、実に良くやっていると思う。しかし薬草に詳しい研究者は殆どいなく、探すのは困難だろう」

「まさに冒険者ギルドマスターの指摘通りになります。お力になれず、申し訳ありません」

「そういう理由だったんですね。こちらこそ無理を言って申し訳ないです」


 使用人ギルドの会長が僕に頭を下げているけど、理由が理由なだけにどうしようもないよね。

 うーん、だとしたら何か他の手があるかなと考えていたら、魔導具ギルドマスターがポンと手を叩いて何かを思い出した様です。


「そういえば、魔導具ギルド本部の近くに薬草採取が上手い爺さんがいるはずじゃあ」

「確かにあのお爺さんなら、薬草に詳しいだろう。冒険者ギルドにも、質の良い薬草を卸してくれる。今度冒険者ギルドに来たときに声をかけておこう」

「すみません、色々と動いて頂いて。宜しくお願いします。一度お会いして問題なければ、薬師ギルドからの指名依頼として頼みます」


 薬草集めが上手いお爺さんなら、確かに薬草についても詳しいはずです。

 冒険者ギルドからお爺さんに声をかけて貰うのを待つようにしよう。

 きっと、ドリーお姉ちゃんの力になってくれるはずです。


「あと、皆さんが言っていた教育問題については、お母さんに報告します。お母さんも現役で家庭教師をしているので、きっと何か考えてくれるはずです」

「王太后様ならきっと大丈夫だろうな。なにせ陛下にも勉強を教えていたんだ」

「そうね。王太后様は民の事を思ってくれているし、きっと良い事を考えてくれるはずだよ」


 教育問題については、僕も少し思う所があるんだよね。

 お母さんにもだけど、公爵家の件が片付いたらアルス兄様とカーター兄様にも相談してみよう。

 こうして、各ギルドマスターによる薬師ギルドへの視察は終了です。

 僕にとってもとても勉強になったし、これからもっと薬師ギルドを良くしていこう。

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