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第九十八話 ギルドマスターの洞察力

 続いては、ポーションの製造室の見学です。


「こちらがポーション製造室になります。ここで、市販されているポーションを作っています」

「多くの方の尽力で、今では以前より品質の良いポーションを作る事ができています」

「うむ、私の教えたポーション作りがここまで洗練されているとは。良く頑張ったのう」

「はい」


 僕とドリーお姉ちゃんにポーションの作り方を教えてくれた冒険者ギルドマスターも、ここまで出来たかとニッコリしています。

 ここで質問をしてきたのは、職人ギルドマスターだった。


「弟殿下、獣人もポーション作りに加わっているんだな」


 職人ギルドマスターは、たまたまポーション作りを手伝っていたアンナお姉ちゃんとゴレスお兄ちゃんを見ていた。

 獣人がポーションを作るのは珍しいのかな?


「いやさ、言っちゃ悪いが獣人はそこまで頭が良い訳じゃないんだよ。力はあるから俺らも獣人は良く使うが、頭脳労働には向かないんだよ」


 そっか、そういう考えもあったのか。

 僕達は皆で力を合わせて孤児院での生活を乗り越えたから、獣人が頭脳労働に向かないって信じられないんだよね。

 特にドリーお姉ちゃんはとっても頭が良いし。


「うーん、もしかしたら獣人は十分な教育を受ける機会がなかったのかもしれません。だから、粗暴な行動に出るかもしれません。ゴレスお兄ちゃんはぶっきらぼうだけどとっても優しいですし、アンナお姉ちゃんも皆の事を良く見てくれています。それに、ゴレスお兄ちゃんもアンナお姉ちゃんも十分な教養はありますよ」

「弟殿下の言う通り、獣人に限らず教育問題は確かにあるな。簡単な読み書き計算位まで出来ていると、獣人でも事務を任せられるな」


 職人ギルドマスターは、うんうんと頷きながら僕の話を聞いてくれた。

 その内に、炊き出しの時にきた子どもに文字とかを教えても良さそうだな。

 そんな事を思いながら、ポーション研究室を案内します。


「ここでは、ポーションの改良や新たなポーションの作成を行なっています」

「前の薬師ギルドで研究員気質だった職員も、今回新たに採用しています」


 研究室には、ドリーお姉ちゃんとララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんとゴードンお兄ちゃんの他に、白衣を着た研究員が二人います。

 すると、冒険者ギルドマスターが机の上に置いてある道具に気が付きました。


「おお、私の上げた道具をまだ使っているんだね」

「はい。僕も、たまにこの道具を使ってポーションを作っています」

「うんうん、道具を大切に使うのは良い事だよ」


 冒険者ギルドマスターも、自分のあげた道具が大切に使われていてとても満足そうだった。

 さてさて、ここで魔導具ギルドマスターから同じく机の上にあった魔導具に関して質問がありました。

 因みに魔導具ギルドマスターは、とっても優しそうなおばあさんです。


「弟殿下、何故に魔力を計測する魔導具がここにあるのじゃ?」

「これはポーションを作る為に使っています。実はポーションを作る時に、薬草の中にある魔力が液体に移る事が分かったんです」

「おお、そんな事まで調べておったのかい。弟殿下は勉強熱心じゃのう」

「皆が色々教えてくれました。魔導具を使ったポーション作りは開始していますので、今は毒消しポーションで使う魔導具の調整を行なっています」

「うむ、感心じゃ。魔導具ギルドの若い連中にもこの位勉強してほしいのう」


 魔導具ギルドマスターは、僕の頭を撫でつつ机の上にある魔導具を眺めています。

 因みに最近ララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんが魔導具に関心を持っていて、二人で魔導具を良くいじっています。


「く、クロノ、た、助けて……」

「うん、この手触りはとても良いわね。次の冬物の服に活かせるかしら?」


 そして服飾ギルドマスターは、ゴードンお兄ちゃんをもふもふしながら服の構想を練っていた。

 というか服飾ギルドマスターは、どちらかというと服の事よりもゴードンお兄ちゃんをもふもふする事に夢中じゃないですか?

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