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第八十六話 広場での救護活動

 幸いにして爆発に巻き込まれて怪我をした人は少なかったけど、逃げようとして転んだりした人がかなりいました。

 広場に設けられた臨時の治療所には、沢山の人が並んでいました。

 勿論、ララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんが不審者がいないかを確認しています。


「いたくなーい?」

「すっかり大丈夫だよ。皆を守って偉かったね」

「えへへ」


 ライラちゃんは、治療と共に先程魔法障壁で皆を守った事を褒められています。

 悪魔的勘が働いたのもあったけど、本当にナイスタイミングだったよね。


「膝はどうですか?」

「出血も止まったし、元々悪かった所も治ったぞ」

「それは良かったです」


 念の為にと沢山のポーションを持ってきていたので、治療にとっても役にたっています。

 

「弟殿下、綺麗な着物が汚れちゃうよ?」

「服のことは気にしないで下さい。皆さんの事の方が大事です」


 僕よりも少し大きい子どもが僕の服が汚れると気にしているけど、僕は特に気にしていません。

 勿論、お母さんもスカーレット姉様とリリアン姉様も、服が汚れるのは気にしていません。

 怪我をしている人の治療が最優先だもんね。


「確か、何とかの恨みとか言っていたな」

「そうですか、貴重な情報ありがとうございます」


 ついでという事で、兵が広場に残った人に質問して情報を集めています。

 何か手がかりが見つかれば良いですね。


「ふう、そろそろ良いですね」

「怪我人もいなくなりましたわ」


 治療を始めて三十分。

 怪我人の列も無くなって、一段落です。

 スカーレット姉様とリリアン姉様も、少しホッとしています。

 と、ここでお母さんからとある事を言われます。


「スカーレットとリリアンとクロノは私と一緒に宮殿に向かいましょう。他の皆は屋敷に戻って休んでね」

「はーい」


 どうやら僕とスカーレット姉様とリリアン姉様は、お母さんと共にさっきの事件の件で宮殿で会議に参加する様です。

 アンナお姉ちゃん達は大活躍したし、ゆっくり休んで欲しいなあ。

 ここからは二台の馬車に分かれて乗って、それぞれの目的地に向かいます。

 因みに、僕達の馬車にはマーサさんとリリスさんとフルールさんも同乗しています。


「お母さん、犯人が誰であれ大きな問題になるよね?」

「そうね。あえて宣誓式を狙ったとなれば、犯人と繋がっている人は裁きを受けなければならないわ」


 宣誓式を狙って襲撃してきたし、魔法での直接攻撃もしてきた。

 王家への明確な反乱行為と受け取っても全く問題ない。

 恐らくあの元王妃の出た公爵家か、その公爵家に繋がる貴族家の犯行である可能性は極めて高いだろう。

 後は、捕まえた犯人がどれだけの自供をするかだけです。


「今回の事件は私達を狙ってはいたけど、実質的に無差別テロとも捉えられるわ。アルスもカーターも、民衆を巻き込む犯罪はかなり嫌っているわ」

「そうね。無関係な人が巻き込まれるのは、私も許せないわ」

「私も。怪我をした人の中には、小さな子どももいたわ」


 無関係な人を巻き込むのは、僕達が嫌いな事です。

 でも、自分勝手な貴族にとっては、民衆を巻き込む事なんてなんとも思っていないんだろうな。

 何だか歯がゆいな。

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