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元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!  作者: 藤なごみ


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第七十七話 お互いの想い

 ゴレスお兄ちゃんがお風呂に入っている間、僕とゴードンお兄ちゃんは不安でいっぱいだった。

 

「ゴードンお兄ちゃん、僕達お姉ちゃん達に嫌われちゃったかな?」

「もしかしたら、嫌われちゃったかも……」


 ベッドの上には、ずーんと気持ちが落ち込んだ僕とゴードンお兄ちゃんが座っています。

 僕とゴードンお兄ちゃんは、夕食前にお母さんがお姉ちゃん達に話をして食堂が静まり返ったのを気にしています。

 確かにお姉ちゃん達は僕達の事をかまい過ぎたけど、僕達が拒否すると皆の関係がギクシャクするのではと思っちゃったのだ。

 

「二人とも、なにしょげているんだよ」


 僕とゴードンお兄ちゃんがしょぼーんとしていると、お風呂から男子部屋に戻ってきたゴレスお兄ちゃんが頭をタオルでゴシゴシしながら僕とゴードンお兄ちゃんに話しかけてきた。

 そしてゴレスお兄ちゃんは、僕とゴードンお兄ちゃんの間にどかりと座った。


「お前らは優しいのか人が良いのか。いいか、あいつらがしつこくかまい過ぎたから色々問題になったんだ」

「「うん……」」

「逆に聞くが、お前らはあいつらの事が嫌いか?」

「「それはないよ」」

「なら、お前らは気にする事はない。反省しないといけないのはあいつらだからな」


 ゴレスお兄ちゃんが、僕とゴードンお兄ちゃんの頭を撫でながら話してくれます。

 ぶっきらぼうな話し方だけど、ゴレスお兄ちゃんもちゃんと皆の事を考えてくれます。


「まあ、あいつらも食事中黙る程真剣に考えていたからな。これで反省しないでお喋りしていたら、俺がぶん殴ってやったわ」

「暴力は良くないよ」

「そうだよ」

「だよな、ははは」


 三人でちょっと笑っていたら、僕もゴードンお兄ちゃんもちょっと気持ちが楽になったよ。

 すると、ゴレスお兄ちゃんはすくっと立ち上がって、ドアを開けました。


「ほら、お前らもさっさと入ってこいよ」

「「「……」」」


 ゴレスお兄ちゃんがドアを開けると、そこにはお姉ちゃん達が集まっていました。

 お姉ちゃん達は神妙な顔をして、部屋に入ってきました。


「ほら、言うことがあるんだろう?」

「「「うん……」」」


 ゴレスお兄ちゃんがお姉ちゃん達に何かを促すと、お姉ちゃん達は意を決した様だ。


「「「本当にごめんなさい」」」


 お姉ちゃん達は、僕とゴードンお兄ちゃんに頭を下げて謝ってきました。

 そして色々と話をしてくれました。

 要約すると、こんな感じだった。

 スカーレット姉様とリリアン姉様が現れたので、対抗意識を持っていた事。

 スカーレット姉様とリリアン姉様も、僕とゴードンお兄ちゃんに過剰に接していた事。

 ドリーお姉ちゃんとララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんも、スカーレット姉様とリリアン姉様に対抗していた事。


「お互いに対抗するばかりで、クロちゃんとゴードンちゃんの事を考えてなかったわ。お姉ちゃんとして、皆を抑えるべきだったわね」


 アンナお姉ちゃんも、僕とゴードンお兄ちゃんに謝ってくれました。

 お互いに色々な所でボタンの掛け違いが起きていたということです。


「今日は、女性陣で一緒に寝ながら腹を割って話す予定よ。良く考えると、お互いにコミュニケーションが取れてなかったわ」

「うん、分かった。後はお願いするよ」

「僕とクロノは、皆の事を嫌っていないよ」

「うん、ありがとうね」


 そう言って、アンナお姉ちゃんが部屋のドアを締めました。

 でも、お姉ちゃん達と少し話せたから、僕もゴードンお兄ちゃんも気持ちがとっても楽になりました。


「さあ、俺らも寝るぞ。明日も色々あるんだからな」

「「うん!」」


 ゴレスお兄ちゃんが部屋の明かりを消して、僕達はベッドに入ります。

 全部は解決していないかもしれないけど、それでも前に進んだ感じがしました。

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