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第五十八話 お姉さんにポーションの作り方を説明

 僕達が工房で待っていると、階段を降りる物音がしてきた。

 部屋の方は準備ができた様だ。


「皆、お待たせ。じゃあ、後はお願いできるかな?」

「母上、任せて下さい」

「ここからは、私達が頑張って説明します」


 お母さんは用事があるとの事で、屋敷に戻って行きます。

 アンナお姉ちゃんとドリーお姉ちゃんが、お姉さん達にポーション作りの工程を教える事になります。

 先ずは椅子に座って、お姉さん達に話をする事に。


「ポーション作りは、大まかに冒険者ギルドからの薬草の搬入、ポーション作り、冒険者ギルドへの納入があります。また、冒険者ギルドから使用済みポーションの空き瓶が届けられるので、空き瓶の洗浄や個数の管理を行っています」

「ポーション作りには少しコツがありますが、その辺も含めて説明しますね」

「「「はい」」」


 ざっくりと作業内容を説明したら、今度は席を移動して実際の現場を見てもらいます。


「工房には、薬草を保管する冷蔵装置があります」

「これはとっても大きな冷蔵装置ですね」

「くろのにーにのにーにがくれたんだよ!」


 工房の一角には、ドーンと大きな冷蔵庫の様な物が置いてある。

 ライラちゃんからの説明にもあった様にこの冷蔵装置はアレク兄様からのプレゼントで、薬草を新鮮な状態で保存できるのでとても助かっている。

 ドリーお姉ちゃんの説明を、サーニャさんが興味深く見ていた。


「冒険者ギルドからは、毎朝薬草が納品されます。納品した日付のタグをつけて、冷蔵装置に保管します」

「ただ、私達が勉強をしている最中に薬草が納品される時があるので、その際は受け取りをお願いしたいです」

「分かりました」

「納品個数のチェックも行いますね」

「品質チェックも併せて行います」


 アンナお姉ちゃんとドリーお姉ちゃんがお姉さん達に説明をしているけど、特に僕は勉強とかで午前中は忙しいので受け取りだけでもしてくれるととても助かります。


「併せて、冷蔵装置の横には冒険者ギルドから送られてきた使用済みの空き瓶があります。こちらを綺麗に洗って、乾燥させています」

「私達は今まで新品の空き瓶を買う事ができなかったので、ずっと使用済みの空き瓶を再利用していました。今では、新品の空き瓶も購入する様にしています」

「薬師ギルドでは、常に新しい空き瓶を使っていました」

「確かに、使い終わった後の空き瓶の事は気にしていませんでした」

「皆様、本当に苦労されていたんですね」


 昔は本当にお金が無くて、冒険者の好意で色々やらせて貰ったもんな。

 今は少し余裕が出来たから、新品の空き瓶を買う様にもしている。

 もう少ししたら、空き瓶を綺麗にして新品の空き瓶を作っているガラス工房に持ち込む事になっている。

 ガラス工房としても、ガラスの再利用でコストダウンができるそうです。


「ポーション作りは後ほどお見せします。出来上がったポーションは空き瓶に詰めます。普通のポーションと毒消しポーションを作っていますが、中身の色が違うので直ぐに分かりますよ」

「夕方になると、冒険者ギルドの担当者がポーションを受け取りにきます。そして、薬草の購入代金とポーションの売却代金の差額が私達の収入になります。幸にしてポーションの販売が好調の為、お姉さん達を雇ってもまだ余裕がありますよ」


 たまに作る強力毒消しポーションの販売代金もあるので、僕達の収入はかなりの物になっている。

 大金を扱うので、お金の管理はお母さんとアンナお姉ちゃんが一手に行っています。


「これだけの事を、子どもである皆さんが行っているんですね」

「薬師ギルドでは、こんなに細かく管理をしていませんでした」

「品質の管理もされていて、とても感心しました」


 ざっくりと作業内容を話したけど、子どもなりに考えた作業内容の方が薬師ギルドを超えているとは。

 うーん、薬師ギルドは本当に大丈夫なのか、ちょっと気になるなあ。

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