第四十七話 今後の予定が決定
そんなこんなで午前中は色々な勉強をして、午後はポーション作りの日々を過ごしていた。
そして謁見から十日後、僕とお母さんとスカーレット姉様とリリアン姉様は兄様達から王宮に来る様にと言われた。
「どんな話をするのかな?」
「きっと重要な話なのよ。でなければ、皆を呼ぶ事はないわ」
「だよね。うーん、何だろう?」
僕達は馬車に乗り、護衛を受けながら宮殿に向かいます。
スカーレット姉様とリリアン姉様とお母さんが話をしているけど、確かに簡単な話なら全員が揃う必要はない。
兄様からの話は、全員が集まる必要がある程のかなり重要な事なのだろう。
馬車は宮殿に到着し、僕達は直ぐに大きな会議室に案内された。
すると、アルス兄様とカーター兄様と共に閣僚が勢揃いしていた。
「皆、よく来てくれた。さあ、座ってくれ」
会議室に入った僕達にアルス兄様が声をかけてくれたので、僕達も席に座ります。
僕達が席に着いたのを確認して、早速アルス兄様が話し始めました。
「今日皆に集まっていたのは、幾つか決定した事を伝える為だ」
決定した事って何だろう。
アルス兄様からバトンタッチを受けたカーター兄様が、その決定した内容を報告し始めた。
「先ずは、クロノとスカーレットとリリアンに関わる事だ。クロノの王子復帰は決定しているが、この度正式に王位継承権を持つ事も決定した。現在私が王位継承権一位なので、クロノが二位、スカーレットが三位、リリアンが四位になる」
先ずは王位継承権の話なんだけど、王国は男性優位だけど女性にも王位継承権があるんだ。
まあ、僕がほぼ王位に就くことはないだろうな。
「続いてだが、関係者の裁判の日程が固まった。王妃と宰相は、一週間後に裁判を執り行う。この裁判には、王族の義務として母上とスカーレットとリリアンに加えてクロノも参加する事になる」
「分かりました」
いよいよ裁判が始まるのか。
謁見の間の時でさえ己の罪を認めなかったのに、王妃と宰相が己の行いを反省しているとは思えないけどな。
因みに、先に罪の軽い人から裁判が始まるそうです。
「そして、国民への王位宣誓は一ヶ月後になる。勿論、ここにいる全員が参加する事になる」
「いよいよなんだね」
「何だかドキドキしてきたよ」
僕のお披露目も兼ねてのイベントなので、スカーレット姉様やリリアン姉様だけでなく僕もドキドキだ。
確かに、このレベルの話なら王族全員が揃う必要があるなあ。
「そうだ、炊き出しも三日後に行う事が決定した。スラムの入り口に近い教会を会場とする」
「護衛も付けるが、クロノだけでなく母上やスカーレットにリリアンも十分気をつけてください」
「分かったわ。国民向けの宣誓が終わるまでは、出来るだけ穏便に過ごしたいわね」
ある意味僕の王族としてのデビュー戦も決定し、国民向けの王位宣伝の話よりも緊張していた。
でもお母さんもついていてくれるし、皆がいるから大丈夫だと信じています。
これで話し合いは終了で、僕達は屋敷に戻ります。
「いよいよ決まったのね。じゃあ、ポーションも沢山作らないといけないね」
皆には、とりあえず炊き出しの事を話しておいた。
炊き出しの話を聞いて、ドリーお姉ちゃんもポーション作りに気合が入りそうだ。
国民向けの王位宣伝は改めて日時が発表されるので、その時に皆に話をする事にした。
「俺はクロノの護衛かな」
「私もクロちゃんの護衛だね。炊き出しに並ぶ人の列の整理もするけどね」
ゴレスお兄ちゃんとアンナお姉ちゃんは、炊き出し周りのお手伝いがメインになります。
そして、治療となるとこの三人がとてもやる気を見せています。
「ここはお姉ちゃんもバッチリ治療するよ」
「回復魔法なら任せてね」
「らいらもがんばる!」
「あらあら、これは楽しみね」
元々回復魔法が使えたララお姉ちゃんとリリお姉ちゃんに加えて、新たに回復魔法が使える様になったライラちゃんもやる気を出していた。
お母さんもこれだけの戦力が整った炊き出しと無料治療は中々ないので、微笑みながら僕達の事を見ていた。
そして、僕達は炊き出しに向けて色々準備を進める事となった。