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第四十二話 今日はもうおねむです

「バイバーイ!」

「ウォン!」


 ようやく起きた一人と一匹は、お互いに挨拶をして別れていた。

 バーサックさんとリリーナさんは、これからもちょくちょくと僕達の様子を見にきてくれるという。

 そうすると、ライラちゃんとヴォルフの再会も直ぐになりそうだ。


「今日はここまでにして片付けましょう。出来上がったポーションは、冒険者ギルドに届けて貰いますね」

「「「はーい」」」


 いつの間にか夕方になっていたので、お母さんの一声で皆でお片付けを始めます。

 明日からは、何もなければ午後はポーション作りです。

 午前中は礼儀作法の勉強かな?

 そんな事を思いながら、ポーション作りで使った道具を綺麗に洗っていきます。


「にーに、ごはんなにかな?」


 皆が道具の片付けをしていると、お昼寝をして元気満タンのライラちゃんが夕飯を訪ねてきます。

 さっき屋敷の侍従が、使い終わった薬草を持っていったよな。


「屋敷の料理人が、薬草を使った美味しい料理を作ってくれるって」

「おお、ライラたのしみ!」


 ライラちゃんは何でも良く食べるので、孤児院にいた時も使い終わった薬草の料理を食べていた。

 ここは是非とも、料理長にライラちゃんの期待に応えて貰いましょう。

 

 食事の前にお風呂に入る事になった。


「にーに、おふろきもちいね!」

「うん、そうだね……」


 なったのだが、何故僕は女風呂に入っているのか。

 あれは、僕が男風呂に入ろうとした時だった。


 がし。

 

「クロノ、お母さんと一緒にお風呂入ろうね」


 がし。


「クロノ様、お背中をお流しいたします」

「……はい」


 僕の両腕を、お母さんとマーサさんにがっしりと掴まれてしまったのだ。

 とっても良い笑顔なので、僕に断るという選択肢はなかった。

 因みに、ゴレスお兄ちゃんとゴードンお兄ちゃんは、巻き込まれない様にさっさと男風呂に逃げ込んでいた。


「クロノもいつの間にか大きくなったわね」

「クロノ様、こちらも洗います」


 そして、お母さんとマーサさんに頭と身体を洗われて、ようやく湯船の中に入った所だった。

 勿論お風呂なので、お母さんもマーサさんも裸だ。

 うう、お母さんもマーサさんもお胸が大きいから、洗いながら常に僕の体に当たっているよ。


「弟君ったら、小さいのに恥ずかしがって面白い」

「弟君はまだまだ子どもだから、女風呂でも全く問題ないのにね」

「そうね。親子のスキンシップですよ。実際に他の貴族も、子どもがもう少し大きくなるまで親と一緒にお風呂に入るものよ」


 同じく裸の姉様達の言葉にお母さんが答えていた。

 という事で、僕は暫く女風呂に入る事が決まってしまったのだ。


「ゴレスはともかくとして、ゴードンちゃんは一緒にお風呂に入っても問題ないわね」

「じゃあ、明日はゴードンも誘ってみますか」

「「賛成!」」


 そして、アンナお姉ちゃんとドリーお姉ちゃんによって、ゴードンお兄ちゃんも明日は僕と一緒に女風呂に入る事が確定してしまった。

 ゴードンお兄ちゃんは恥ずかしがり屋さんだから、絶対にパニックになりそうだよな。


 そしてお風呂の後は、お待ちかねの夕食です。


「おいちー!」

「ライラちゃん、美味しくて良かったね!」

「うん!」


 ポーションを抽出し終わった薬草は、とっても美味しいスープに変わっていた。

 ライラちゃんも美味しそうにスープを食べています。


「成分を抽出した薬草は、代わりに旨味を吸収するみたいね」

「これなら、炊き出しにも十分使えます」


 お母さんとアンナお姉ちゃんの言う通り、このスープなら炊き出しにも十分に使える。

 こうして、スープに使う材料に成分を抽出した薬草が加わったのだった。


「今日はクロノの普段の姿が見られて、お母さんは嬉しいわ」

「そうかな?」

「そうよ。でもクロノはまだ子どもなのだから、遊ぶ事も大事ね」


 今日はお母さんと二人でベッドに入ります。

 久々のポーション作りで疲れたのか、僕はうつらうつらしながらお母さんの話を聞いています。

 

「ふあっ、ふう」

「あらあら、朝も早かったからもうおねむかしら? おやすみね、クロノ」

「おやすみなさい、お母さん」


 僕はお母さんの温もりに包まれながら、眠りにつきます。

 昔感じた懐かしい温もりに包まれながら。

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― 新着の感想 ―
[一言] この文章でもゴレスとゴードンが逆になっている。
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